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第16話 スニーキングミッション

大林素子・・・もとい町田の目線です。

「これから私たちはどうする?」

「どーしよか」

私たちは当初の予定を変更して香織たちをはじめから二人きりにした。

大丈夫だよね、好き者同士だし!

それに私も朝から高橋と一緒だし!これデートですよね!?やばーい!でもあんまり緊張してなーい!それは高橋だからー!そこがいい!

でも今からどこ連れてってくれるのかな?二人きりで遊ぶのなんて初めてじゃない!まぁうれしい!

「やっぱ一番楽しいのはこれだな!」

「何!?高橋!」

期待大だよ。


「野田たちの後をつける」

え?・・・全然デートじゃねえじゃん・・・

「・・・・」

「いや?」

「い、いいんじゃない」

イヤとは言えんでしょ・・・

「じゃあ、よしっ行こう!」


・・・高橋はこういうやつでした。楽しそうだなコイツ。


私たちはその後メタルギアソリッドさながらの隠密行動で香織たちを追った。さすがに段ボールは被らなかったけど。「俺をおいていくな!待ってくれスネーク!スネーーーク!」

「高橋うるさい!誰がソリッド・スネークだ!」

元ネタわかんない人ごめんなさいね。

「まあ町田がとはぐれることは万が一にもないけどな。背が高いからすぐ見つけれるし」

「まあね」

誉められてるわけじゃないことはわかる。

「ここだけの話なんだけど町田って背伸びすれば日本全国ぐらいは見渡せるって本当か?」

「そんなに高くないわ!というか高橋のほうが背高いじゃん!」

高橋はなんで女子にこういうこと言えるんだろう!


「そんなことより目標は映画館に入ったようだぞ」

「じゃあ私たちも映画見ようよ」

「そうだな。じゃあ野田たちと同じのを見るか」

「それバレない?」

「そのスリルを楽しもう」

「普通に映画楽しもうよ」

「無理。でもちゃんと映画も楽しむから、俺はそれができるから」

何なのコイツ!?

「まあいいや、香織たちが見る映画って多分これだよね?」

それは最近話題のケータイ小説原作の恋愛映画。見た人の70%が泣いたって触れ込みのやつだ。

「普通男女で来るならこれだろうな。野田もそこまで愚かじゃないだろうし。見ようか」

チケット販売で並んで買うときは恋人っぽくてよかった。


館内に入るとカップルだらけだった。

「すげー。カップルばっかだな」

「だね」

「こんなにカップルいるのに何で俺は独り身なんだろうな。・・・町田もそうか」

高橋はたぶん意味なく言ったんだろうけどなんか引っ掛かった。

「まあね」

「それにしてもほんとカップルだらけだな。こんど罰ゲームで誰か一人で行かせよう!」

「ほんと高橋はそういうことしか考えれんの!?」

「そんなことより始まるぞ」

・・・肩パンチしといた。暗くて香織たちは見つけれなかった。



「泣きすぎやて町田」「しょうがないじゃん。超マジ感動したー!でも高橋だって泣いてたじゃん」

「しょうがないじゃん。超マジ感動したんだから」

「バカにしてるでしょ」

「うん」



「そんなことより目標を見失ったぞ」

「まじ?・・・じゃあもういいんじゃない?後つけるの」

「そうしよか。やめよっか」

「だね!じゃあまだ時間あるけどどっか行く?」

やっとデートっぽくなるかな!?

「行こう。漫画喫茶」

その後暗くなるまで高橋から超マジ感動する漫画をすすめられた・・・・・ジョジョ・・・・




「っていうのが私の土曜日だったんだけど!」

教室で町田に俺と山崎さんが責められてる。

「楽しそうでよかったじゃん。ねぇ」

「ねぇ」

「楽しかったけどよくない!」

「私たちは町田に感謝してるよ。ねぇ」

「ねぇ」

「あんたらはよかったね。超仲良くなってるじゃん!もうバカップルですか!?」

「ありがとね町田さん」

「ちなみに香織たち映画館で見失ったけどどっか行ってたの?」

「映画館にいたよ。でも野田くんが恋愛系イヤだって言ったからホラーにしたんだ」

「はぁ?野田くん!君はバカか?なんで初デートにホラー見るんですか!?」

「ごめんなさい」

だって恋愛系はずかしかったんだもん。

「私も面白かったからいいよ!」

「ありがとね」

「・・・ともかく次、君らには私の為に動いてもらうよ!特に野田くんには高橋に自然に絶妙な感じで私のことどう思ってんのか聞いてもらうから頑張ってね!」

「「ええー!?」」

「驚かなーい!いやがらなーい!今あなたたちは誰のおかげですか?」

「町田のおかげ」

「町田さんのおかげ」

「わかってるなら協力しましょう」

「「はーい」」



直接コクればいけると思うけどな〜。俺は恥ずかしくて無理だけど。あ、コクる相手いねーから関係ないわ!だって俺、彼女いるしー!


次こそ女っ気のない話を!

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