第15話 無知!これは困る
またまたはずかしーぜ!はやく女っ気のない話を書きてーぜ!
今、映画を見おわってファーストフード店で昼ご飯中。
そこでこれの経緯を話し合ったんだけど、もともと山崎さんが俺のことを好きだと知ってた町田が高橋から俺が山崎さんのことを好きだと教えられて、じれったいので勝手にこの計画を立てたらしい。俺と山崎さんはそれに乗っかってうまいこといったらしい。
「なんか思いっきり町田たちのおかげだね」
「やね〜、これで町田さんの方もうまくいけばいいけど」
本当に町田のおかげだ。感謝しとるよ!
「どーゆー事?もしかして町田って高橋くんのことが好き?」
「そう。てか知らんかったの!?今日、俺たちを二人きりにさせるってやつ自分が高橋と二人きりになりたいからってのもあったんだよ」
「初聞きだよ!じゃあ町田も私たちみたいになればいいね〜」
「ね〜」
本当に知らなかったらしい。町田もなぜ教えないんだ?
そんなことよりなんか今のやりとりすっげえ楽しいぞ。
“私たちみたいに”
コレうれしいな!
男女交際ってなに!?
帰りぎわ急にこんなことを思ってしまった。
半日一緒にいて山崎さんは思ってたとおり優しい人だとわかった。よく笑うし明るい子だ。一緒にいてとても楽しい。
しかしこれからはどうなのだろう?
これから恋人としてどんな事をすればいいかわかんねえ!俺は今まで女子と付き合ったことはおろかはなしたこともあまりない。恋愛小説、ドラマ、映画なんかも全くと言っていいほど見たことが無い。あんなもん男が見るもんじゃない!と、避け続けて来た。ほんとはただ見るのがこっぱずかしかっただけなのだが。
だから男女交際と言うものがよくわかってない。
俺が今一番こわいのは山崎さんに嫌われることだ。俺が間違ったことをして山崎さんに嫌われることだけは絶対に避けたい。だから今俺は前にも増して猛烈にビビりまくっている!
世間の恋人たちはどんなことをしてるのかい?愛を語り合ったりしてるのかい?じゃあその愛とは何なのかね?
漠然とでもいいから誰か教えてほしい。
「野田くん。どうしたの?」
「愛と言うものを・・・・じゃなくてっ!べつに・・・」
あぶねッッ。変なこと言いそうになった。
「ほんとに?なんか難しそうに考えてるように見えたけど?」
うぅ、ばれてる。
「じゃあ、あのね、俺正直男女交際ってよくわかんないんです。だからこれからどんなふうなことをすればいいかわかんないんです。俺、山崎さんに嫌われたくないから変なことは絶対にしたくないんです」
ハズい・・・
「そうなの・・・私もよくわかんないけど手をつなぐのとかは?いやかい?」
「全然いやじゃないよ!・・・じゃあ今後の方針は手をつなぐって事でいいかい?」
「今じゃないの!?」
「えっ今なの!?」
「いやなの!?」
「いやじゃないけど!」
「じゃあ今で!今からお願いしますっ!」
「はいっ!では・・・」
どんくらいの力で握ればいいかわからなかったし手汗が心配だったけど、すっげえ幸せだぞ!すっげえ恋人っぽい!距離が近えもん!
「野田くんの手って長いし細いし男子っぽくないね、女子より綺麗だと思う」
山崎さんの手はその小さな身体に妥当な小さな手だった。やわらけーな。
「なさけない手でごめんね。まったく努力してなさそうでしょ」
「うん。絶対頑張ってない手だよコレ」
笑いながらそう言ってきた。
楽しいねぇ。
帰り。最初の集合場所の駅前についた。
「山崎さんはここまでどうやって来たの?」
「歩きだよ」
聞いてみると家がある方向は途中まで俺と一緒らしい。
「家まで送るわ」
「自転車二人乗りで?よろしく!」
「いや、歩いて・・・」
「だよね、危ないでね」
「いや、俺二人乗りできないから・・・」
「そうなの!?じゃあ私できるから私運転するよ!」
「俺、いちいちなさけないね」
「だねっ」
その夜
俺→高橋[二人乗りの練習してくれ!]
高橋[いや]
イラっとしたので同じ内容のメールを百通ほど送っといた。
そういや町田は高橋とどうなったんだろう。
次は濃ーい下ネタだな