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第13話 フェアプレイが好きです

「おねがいだから寝かしてくれよー」

俺は高橋ん家に泊りに来ている。加藤も一緒だ。次の日学校が休みということで球技大会の帰りに高橋ん家に泊まることになった。今、午前二時。

「寝たらパンツ脱がす。写真を撮る。メールで流す」

「加藤、こえーよ!」

「俺も賛成だ。野田が寝ることはゆるさん。もし寝たら俺たちが本当にそれを実行することはわかるだろ?野田の虫も殺せないようなひ弱な腕力じゃ俺たちを止めることができないのはよくわかってるだろ?」

「高橋もこえーよ!」


俺たちは今、大乱闘スマッシュブラザーズ通称スマブラをやっている。

それだけならまだよかったのだが加藤が罰ゲームがないとつまらないと言いだし一気に過酷なデスゲームと化した。

基本的にゲームの苦手な俺はいいカモにされてるのだ。

最下位が一位の言うことをなんでも聞かなくてはならないのだ。

「だって野田弱すぎるもん。次は何やらせようかな?」

「もう絶対にコンドームは買いにいかんぞ!あれほど恥ずかしいこと二度もさせやがって!」

加藤が一位のとき近所のコンビニにコンドームを買いにいかされた。一度ならまだしも二度もやぞ!死ぬほど恥ずかしかった!もうあのコンビニには行けない!ほかにもスネ毛全剃りやスクール水着着用など屈辱的な罰を受けまくった。なんでスクール水着なんてあるんだ!?と聞いたら加藤は常にカバンの中に入れてるらしい。加藤はスクール水着を着た俺にそそられたらしい。マジでやめてくれ。

「とりあえず次のゲーム始めるか」

と高橋が言う。その言葉にすでに絶望を感じてしまう。



・・・・・負けた。

「おっ、俺が罰ゲーム決めるんだな。じゃあな〜」

高橋が勝った。

「決めれないんなら無しでいいよ!」

「いいわけないじゃん。高橋、はやく言えよ」

「じゃあちょっと軽いけど、好きな子言え」

「・・・・そんな子いないからな。無理だな」

「うそつくなよ。俺たちはわかってるんだよ。それをあえておまえの口から言わせたいだけなんだよ」

「・・・・・名前忘れちゃったわ。だからしょうがないね」

「言え。野田がこういう話が死ぬほど苦手なのは知ってんだよ。だから言わせるんだよ」

なんか高橋の威圧感がすげえこええ。

「はよ言えや」

加藤も口調が厳しくなってきてる。

「・・・山崎さん」

言ってしまった。初めて他人にこのようなことを教えた。裸を見られるより恥ずかしいかもしれん。

「やっぱりー!顔真っ赤だぞ野田!」

「正直見てりゃわかるぞ。なあ高橋」

「女子が苦手な野田が明らかに頑張って山崎さんとはコミュニケーション取ろうとしてるもん」

「まじかよ!?他の奴らにはばれてないよな?」

「それは大丈夫だろ。こんなの気付くのもおまえと付き合い長い俺たちぐらいだろ」

「なんで好きなの?」

加藤がストレートに聞いてきた。

「・・・かわいいから」

最初はそんなもんだろう。やっぱこういうことは外見から入っちゃうだろ。

高橋がメモとかとってやがる。

「おまえら楽しそうだな。おまえらも好きな子言えよっ」

「野田の罰ゲームだろ。言ってもいいけどべつに恥ずかしくねえぞ」

「高橋、じゃあ言えよ」

「俺も山崎さんだよ」



「・・・・・ああ、そうなんだ。一緒だね」

まじかよ!最悪だよ!てか普通言うか?気まずくなるじゃんか!マジでショックだよ、高橋に勝てねーよ!あぁ〜〜〜あ。

「野田、すっげえ元気無くなってるって!高橋!本当なのか!?」

「ウソだよ」

「ウソかよ!野田、よかったな」

「そんなことしらねーよバーカ。・・・・ってウソなのかい!?」

「ウソ。好きな子今は本当にいないで」

「うそつくなよ!俺はちゃんと言ったじゃねえかよ!言えよ」

「じゃあ、しいて言うなら野田ん家の母ちゃん」

「まじめに答えろよ!」

「マジだけど」

「ウソつけ」

「本気なんだ」

「ウソつけ」

「俺の目を見ろ」

「・・・本当なのか?やめてくれよ。すっげえ落ち込むぞ。高橋と今後どうやって接していけばいいかわからなくなるぞ」

「大丈夫だろ。ウソだもん」

「死ねッッ!」


「なあ、俺のことは聞かないのか〜?」

「「加藤のはいいや」」

「なんで!?」

「だって、ねぇ?」

「ねぇ」

俺と高橋はうなずき合った。なんか冗談とかじゃなくやばそうなのを言いそうだからだ。

「こないだパソコンで知り合ったんだけどね」

勝手にしゃべりだしたよ。

「緑の髪、緑の瞳で見た目は幼いんだけど実際は1000年も生きてる木の精霊でね、ずいぶん古めかしい言葉をつかうんだ。それがまたかわいいの」

もう雲行きが怪しくなってきたぞ。

「いままで独りぼっちで木を守ってきたからすごく寂しがりやさんで甘えん坊なんだよね、もう俺がいないとダメって感じ?」

ダメなのはおまえだ。

「でもこんなに深く愛し合ってるのに・・・彼女が画面から出てこない!」

「「うっせえよ!」」


「俺はもう寝る!」

「野田!それはダメだ!」

「ゲーム、スタート!」

「まだスマブラやるの!?罰ゲームするならおねがいだから俺でも勝てるゲームにしてくれ!トランプとか!」

「わりぃ、トランプはねえや」

「スクール水着があってなんでトランプがねーんだよ!」


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