第12話 勝利の余韻
「おまえらが雑魚すぎるせいで総合優勝のがしたじゃねーか!俺の転がしドッヂの勝利が意味なくなっちゃったなぁ。足をひっぱるのもたいがいにしてくれんと困るよ」
俺は今いい気分だ。
クラスは総合順位三位、と優勝は逃したが俺は転がしドッヂの一人勝ちと山崎さんとなかよくなったことで超調子こいてる。最高にハイってやつだァー!
「調子こいてんじゃねえよ野田!山崎さんのおかげじゃん!」
「おまえ最高にかっこわるい勝ち方したんだぞ」
「そんなもん忘れてやったわ!」
「野田ァー!」
「人の名をずいぶん気やすく呼んでくれるじゃあないか。それに思いっきりにぎりしめている拳!いったいそれでどうする気だ?」
「決してゆるさないッ!」
「加藤!見苦しいぞ、嫉妬にくるった姿は!?」
「うぉぉぁぁぁっ」
「こいッ!」
ドッガァーン!
「うげぇええええっ」
「野田ぁぁああーーッ!君がッ!泣くまで!殴るのをやめないッ!」
ドッガァァァン!
「たいへんだァー!ジョジョ第一部の名シーンみたいになってるゥー!」
「何やってんだよ!」
バシッ!
俺と加藤は高橋に思いっきりビンタされた。
「何をするだァー!」
「あっ野田!俺がそれ言いたかったのに…」
「もういいから!野田も加藤も何やってんだよ」
「何?って、ジョジョごっこに決まってるじゃあないか。それと俺のことは野田じゃなくてディオと呼んでくれ」
「俺の方も加藤じゃなくてジョジョと呼んでくれよ」
「いつまで続けるんだよ!」
「やり始めたらすっげえ楽しくてね。なあディオ!」
「なあジョジョ!」
「うるせえ!ジョジョネタわかんないやつには超つまんねえよ。ただのキチガイにしかみえねえよ。てかジョジョとディオはそんなになかよく言葉を交わさねえだろ!」
「高橋もジョジョくわしいじゃん!」
「実は高橋もジョジョごっこしたいんじゃねえの?だったら高橋には重ちーの役やるよ」
「何でだよ!重ちー第一部に出てこねえじゃねえかよ!たしかに重ちーのスタンド能力ハーヴェストは好きだけど」
「やっぱくわしいね〜」
「俺は七部の大統領夫人好きだな〜。圧迫祭りよー!ってのが」
「ほんとにいつまで続けるんだよ!今、閉会式だぞ!」
「高橋うるさいぞ」
「ごめんなさい…」
さて、高橋が先生に怒られたところで閉会式終了〜。
みんなぞろぞろ教室に戻っていく。
山崎さんと目が合った。山崎さんの手には転がしドッヂ優勝のトロフィーがある。普通は最後まで残った俺が受け取る権利があるはずなのに俺にはその権利はあるけどその資格は無いらしい。クラス一丸となって言われた。担任にも言われたらそりゃ身を引くしかない。なんだか試合にかって勝負に負けた感じだ。
まあ実際、勝ったのは山崎さんのおかげだからね。普通は自分から譲るべきなんだけどね。ここに俺という人間の小ささがうかがえて自分でも悲しい。
「やったね!うれしいねぇ」
山崎さんは俺に近づいてきてそう言った。
「うれしいねぇ。転がしドッヂってのがちょっとかっこわるいけどね」
「まあね〜」
なかよくなったな〜。うれしいな〜。やっぱかわいい子だな〜。
「それに今日の見てたら山崎さんべつに運動できないように見えなかったよ」
「めちゃくちゃに動き回ってただけだよ。まあ、野田くんは噂どおりだったかな」
笑いながらそう言われた。
「やっぱひどかった?」
「なかなかにね。私、笑いこらえてたもん」
山崎さんが俺に対して冗談とか言うようになってる!
「野田くん、必死だったもんね」
「パニクってたな。八割は無駄な動きだったもんな」「だったね。超ウケたもん!動きがコミカルすぎる」
高橋と町田が一緒に来た。こいつらいちいち仲いいな。どっちも背が高えんだよ。威圧感がでかい。俺が小さすぎるわけじゃないんだよ、高橋はしょうがないとして町田が高すぎるんだよ。バレー日本代表みたいだぞ。男子のうちで大林素子って呼ばれてるんだぞ。まあ今日のバレー負けたんだけどね。名前負けじゃねぇか。
と、心のなかで悪態を付きつつ
「勝ったからいいじゃねえか。まだ言うのか?」
「なんかねぇ。野田が勝ったのがなんか気に食わないんだよね」
「私も野田くんにはもっとダメな感じて締めて欲しかった。ダメなことはダメだったんだけどね」
「なんでだよ!」
二人ともクラスメイトとして一緒に喜び合うことはできないのか!?
お、山崎さん笑ってるね。
まあ楽しい球技大会だったな。
「超疲れたな〜」
「野田は転がしドッヂしかやってねえのに疲れたとか言うなよ」
「なめんな!俺はおまえらとは根本から鍛えたかが違うんだよ!」
「なんで偉そうなんだよ。かっこわるいだけだろ」
「俺は今、最高にハイってやつだからな」
ジョジョ最高だよね