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第119話 弱り目に祟り目

初めての組み合わせです。もう119話ですけど試してない事っていっぱいあるんですね。もったいない。


ふーーーっ、ようやく落ち着いて来たかな。


さて。


「俺はもう帰っていいかい?」


「いや。加藤くんと一緒にいるのも嫌だけど一人も嫌」


さいですか。


……何で町田なんだよ。

可愛くなけりゃこんなの厄介なだけだぞ。


あぁ、中途半端に優しい俺!


可愛かったら……いや、せめて俺よりも低身長ならばもっとアグレッシブに行動するよ?

そりゃもう下心見え見えでね。

一線でも二線でも越えていけるさ。



哀しいかな、相手は町田。


キリンを女体化した存在。

残念ながら俺はロリか巨乳にしか心ときめかんぜ?


あぁ、でもそこは中途半端に優しい俺!

冷たく出来ない!

ほっとけない!



「何か食う?高橋気にして結局何も食ってないやろ?」


高橋達と解散して30分は経つ。その間、屋台の通りを少しだけ離れた所で座って町田の様子を見守っていた。

いつもの明朗快活な町田からは想像出来ないようなマイナス発言ばかり吐く。

主に高橋を不幸にする計画。


「完全犯罪思い付いたら高橋に使いたいからその時は加藤くんお願いね」

とか

「レクイエム化して高橋殴って」

とか

「ヤバめの宗教創って。高橋をそこの信者にして人生狂わせて」

とか

何でだよ!

何で全部俺が実行犯なんだよ!


相当、ショックだったんだな。

まぁ相手が高橋じゃあな。あんな可愛い子に取られるなんて思ってもなかっただろうに。




「悪いね、じゃあタコ焼きでも買ってきてくれる?今、財布出すから……」


「おう」


俺がおごるよ。

とは言えない。もともとそこまで仲良いわけでもないわけで……中途半端に優しいだけからな。

町田じゃなかったら違うだろうけども。



「……財布ない。どっかに落としたかも……」


世界はこの子を不幸にするのを楽しんでいるのか?

何これ?

この畳み掛けるような攻撃。絶妙なタイミングでの追い打ち。これぞ泣きっ面に蜂。


「それかスられたのかもな……ドンマイ。とりあえず俺がおごるから待っててちょ」


「…………ちくしょう。あーもうやばい。泣きそうだ」


え?

それは俺が困る。


「すぐタコ焼き買ってくるから!」


俺は小走りで屋台へ向かった。




「……ん〜〜〜、タコ焼き売切れてました」


あーあ、もう泣きっ面に蜂再び!タコ焼き屋のオヤジも敵か!?



「そう……あー!もういやっ……」


町田は泣きだしちゃいました。

マジですかー!?

女の子の泣き顔見るのなんて小学生時代、卑猥なあだ名付けてからかってた女の子泣かした時以来だぞ!?

超困るよ。



「で、でも代わりにお好み焼き買ってきたけど」


そんなの関係ねぇ。


「……そりゃ私だって悪いよ。恥ずかしくて頑張らなかったんだし……」


何か語りだした!?

シュンシュン泣きながら。


「でも高橋だよ!?大丈夫だって思うじゃない。それに私とだって仲良かったじゃん。何かと一緒だったじゃん私達。特に何もしなくても自然にくっつくかも、とか思ってたのよ!……それにハズくて頑張らなかったって言っても高橋じゃなかったら私の気持ちわかるよね!?高橋が悪いのよ!」


確かに町田の高橋に対する気持ちは見ていて分かった。

見てて楽しかったもの。


「それなりに高橋も私の事思ってくれてるかな、って勘違いしてた。……今日だってせっかくだから無理して浴衣着て来たんだよ。私、背が高いから女の子の可愛いやつ無くて……だから頑張って探したんだよ……なのに…………」


遂にウワーと本格的に泣き出す町田。

俺、呆然とその光景を立ち尽くして見てる。

お好み焼きの袋をぐっと握る。



高橋……俺は初めてお前に嫌悪しているぞ。

こんなに思われてて何で気付かん。


そーゆー病気か?病気だとしても許されんぞ。

町田がもし俺の好きな子だったら今からお前を殴りに行ってる。

理由も言わずに、だ。

自力で気付け、と。




そして……俺は俺自身にも激しく嫌悪している。

町田のことが好きじゃ無くて良かった。もし好きであったのなら俺は自己嫌悪で深く気を病んでしまっていたと思う。


何でこの状況で勃起できるんだよ。何、興奮してんだよ俺。


女の子の泣き顔が大好きな俺なんてマジで死んでしまえばいいと思った。

初めて加藤が自分の性癖に悩みました。

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