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第118話 リンゴアメ

シンプルに書けたか?

「ん〜〜〜、町田さんも大変だねぇ」

「だねぇ〜。意外とノリノリな高橋くんにもビックリしたけどねぇ」

「だよねぇ。まさか、あの高橋が抵抗なくかき氷とか綿菓子の共有するなんてねぇ」

「ねぇ〜…………ん……」


祭の帰りです。ゆるゆるーな会話を繰り広げる、どうも野田です。



ん?なんだ?

山崎さん黙っちゃったりして?


「どうかした?……もしかして山崎さんも《共有》したかったのかい?」


何言ってんだ俺!

恥ずかしい!


「いい?……というか是非っ」


マジかい!

そんなの勿論


「是非……」


という。


「じゃあこのリンゴアメでいい?」

「わかった。出来るかぎりさりげなくやってみます」



かなりディープなアイテムじゃね?リンゴアメって……


山崎さんはリンゴアメのフィルム的なやつを外しペロペロしだした。

さりげなくってなに?



「それ甘い?」

「甘いよ?」

「どれどれ……」


ぺろり。

背の低い山崎さんに合わ、中腰になりリンゴアメを持つ右手ごと引き寄せてぺろり。

さりげなくねぇ。



「リンゴアメって原価超安いらしいよ?」

「そうなの?」

「うん。下手すると売値の百倍ぐらい違う」

ぺろり。

「これは安い味だな」

ひでぇ。



「俺、リンゴアメに眼がないんです。ウナギの次に好きです。お、噂をすればリンゴアメ……」

「あら、よろしかったらお舐めになります」

「よろしいのですか?……では」

ぺろり。

もっとひでぇ。



「こんなに沢山舐めきれないよぅ」

「じゃあちょっと協力するよ」

「おねがいー」

ぺろり。

山崎さんもさりげなくなさすぎる。



「こんな夜遅くに甘いもの食べたら太っちゃうなぁ」

「今更だよ。でもそれがいいんだよ」

…………

「誰がデブだって?舐めてよっ」



「こんな夜遅くに甘いもの食べたら太っちゃうなぁ」

「ケケケ……まんまとこのお菓子の家に誘い込まれて牢屋に閉じ込められたガキはどうなったかな?ケケケ……おやおや、もう食べ頃だねぇ。ケケケ……」

「誰がデブだって?舐めてよっ」

童話って怖いよね?ヘンゼルとグレーテルって魔女をかまどの火で焼き殺すよね?妹のグレーテルが。



ぺろり。

「これは嘘を付いている味だぜ」

「私は涙目のルカなんて知らないよ!」

知ってるじゃん。



ぺろり。

「ん?これは青酸カリ」

「死ぬじゃん!」







「どうです?」

「満足っ!」


満足したの!?あれで!?

やっぱよくわからん子だな。

可愛すぎるけども。



「野田くんっ今日は楽しかった?」

「楽しかったよ」

「私も!……でもなんかごめんよ」


え?


「な、何が?」

「たいしたことしてあげられなくて……」

「何の事だい?」


急に何を言い出すんだ?


「あの〜……下駄の鼻緒が切れちゃったりして〜……そこから、おんぶ。に、発展するイベントとか」

「はい?」


???


「野田くんってそーゆーベタなの好きだよなぁって思って…………」


俺ってそんな風に思われてたの?

その通りだけども。



自分で言っておきながら顔真っ赤にさせてる……。そんなに恥ずかしいなら言わなきゃいいのに。






ヤバイ。そんなこと考えてたの?

山崎さん馬鹿だ。


もう大変だ。ヤバイ。超ヤバイ。

やっぱ大好きだ!


この人、最高だッッ!



「ありがとう!」


礼も言いたくなるよ!



わかりずらいかも知れないけど俺、今、生まれて一番嬉しいと感じてると思う。多分間違いない。




ヤバイよ!

なんかもう溢れてくる!

何かが!

とまらねぇ!
















「チューしていいかい?」


「……うん」











なるほど。

これが、そうか。

甘甘だ。

時間を超越する感覚とはこーゆーことか。


それと、不思議な事に自然とアソコがね…………?




「そんなことより私、デブだと思う?」

「いえ……そんなことは決してごさいません。ゴメンナサイ」


畳み掛けるか、伸ばすか。

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