第115話 ガチなイベント
ちょいと久しぶりの更新です。ゴメンナサイ。ちょいと現実の方での執筆活動がいそがしくて……
いい感じに。
実にいい感じに。
昼間の太陽サンサン・ジメジメ・ギラギラの名残があるが、涼しい風が吹いてきた。
実に風情がある。
これぞ日本の夏!
これぞ日本の夏祭り!
申し分ない。
今日は夏祭りです。
花火大会もステージショーもない地元の地元民による地元民の為の夏祭りです。
川沿いに出店が出てるだけの祭だけど妙に楽しいんです。
ここに来ればとりあえず楽しく遊べるんです。
でも、一つだけ問題があるとすれば…………
「何でお前らも一緒なんだよ!」
高橋・加藤の存在だ。
今、俺達は出店が並んでる道から少し離れた公園にいる。
「何で友達にそんなに冷たいことが言えるんだよ。毎年一緒に来てるじゃんか」
「去年までとは状況が違うだろうが、高橋!」
そうだ、まるで違う。
「せっかくの夏祭りィ!山崎さんと過ごせなくて何が夏祭りだよ!」
このシチュはガチだろ!
「いいじゃん。どうせ今から山崎さんも来るんだしよ」
「加藤ッッそーゆー事じゃないのはわかってるだろ!わかっていってるだろ!」
「当たり前じゃない。でも俺が……この俺がラブコメを認めるわけないじゃない。ましてや野田の」
何でだよ。この俺ってどの俺だよ。
「最高に幸せじゃんかよ!何でそれを否定出来る!」
「野田ァ、お前も落ちたな。昔みたいに客観的に物事を見ろよ。女といちゃつくのより俺達と一緒にいたほうが楽しいって。気を使わなくたっていいんだぜ?露骨でディープな会話が出来るぜ?野田だって素の自分でいられるんだぜ?無理にカッコつけなくていいんだぜ?…………どうだ?俺達のほうがいいだろ?」
「お前らの負けだね。スッゴい大差で」
お前らの存在なんて、山崎さんを窒素とすると二酸化炭素ぐらいの割合しかねぇよ!
まあ俺が植物なら山崎さんは二酸化炭素なんだけどね。
「てか山崎さん達遅いね」
俺は加藤を無視して高橋に話しかけた。
「町田が浴衣の帯解けて直してるらしい。さっきメールきた」
「……そうなの」
悪いけど、町田がそんなセクシィなトラブル起こしても何とも思わぇな。
山崎さんならとんでもないことになるけどね。
「あ、来たよ町田達」
「マジかい?」
あぁホントに来ました。
紺色をベースに小さい花柄がちょんちょんとあしらわれたかわいらしい浴衣を着た山崎さん登場。
なんて可愛いのかしら!
堪らない。もしここが一人ぼっちの空間なら狂ったように喜ぶと思う。
ワインレッドの帯がまた素敵なんです。
うん、町田も浴衣着てるね。
「日本に町田の着れる浴衣あるんだな」
「高橋何それ!?女の子の浴衣姿みて第一声がそれ!?ありえないよ!」
「想像してたのと違ったからな」
「…………っ……想像してたの?」
「うん。膝の辺りでパッツンパッツンになった浴衣を着てるのを」
「いつの時代の田舎の子供よ!」
例の如くいちいち仲いいな。
てかこのメンバーだと自然と加藤だけ相方がいなくなるんだよね。
「あ、言い忘れてたわ」
高橋がふとそういった。
「何を?」
「あの子呼んだから」
「どの娘?」
「銭湯で会った女の子。友達いないらしいからどうせ今日も暇してると思ってね」
あの子呼んだの?
てかあの子友達いないんだ……
てか仲良くなってんじゃん。
てか何なの高橋?この優しい男は。
「構わんやろ?」
「私は一向に構わんッッ!ねー香織」
「うん!良いんじゃない」
心の優しい山崎さんは当然として。町田は構えよ。お前の好きな男が他の女呼んでるんだぞ?
何かアクション起こせよ。
「ところでさ、加藤」
「なんだい?」
「あの子の名前教えてくれ」
「…………え?」
加藤同様、俺も
え?
である。
「加藤も野田もどうしたんだよ?……もしかして知らないとか?」
「もしかして知らない」
俺は加藤から教えられなかったからな。
「忘れた。見事に忘れた」
加藤は正直に言った。
「マジで!?俺、加藤から聞いてくれって言われて、名乗られなかったんだぞ!」
何でだよ!やっぱ意味わかんねぇよその娘!
「どーすんだよ!誰も名前しらねぇぞ!」
「どーしたもこーしたもねーよ。お前が呼んだんだからお前の責任だろ。もちろん全部任せる」
当然だ。
「ちょっと待て野田!名前忘れた加藤にも責任あるだろ!てか加藤のが重いだろ!」
「もう会うことのない人間の名前を覚えてどうすんだよ。俺は今までそうやって生きてきた。責任がどうのこうの言われる筋合いはねぇ」
「屁理屈を言うな!実際今から会うんだよ!……傷つくぜ〜あの子」
「上手いことやれ」
「なんでそんなに他人事なんだよ野田ァ!」
しょうがないじゃん。他人事なんだもん。
「高橋くんうるさいよー」
不意に後ろから声をかけられた。
「来たよ!高橋くんっ!」
来ちゃったよ。
さて、キャラ固めなきゃ