不測の事態への対処で仕事の出来は変わるってもんですよね? 91
お待たせいたしました<m(__)m>
いやもうリアルの激動っ振りに手を焼いておりまして....
やっと更新再開です!
といっても暫くはスローテンポになりそうですが....
なにとぞよしなにお願い致します(^_^)ゞ
第一章 八七話
「.....ちょっと聞き捨てならないわね....そこの所をもう少し詳しく教えて貰える?」
いつの間にガスパールの結界から抜け出して来たのか....そこにいたのはカズミだった。傍らには使い魔の黒猫の姿もある。それを見たランスロットの瞳に露骨な嫌悪感が浮かぶが....
「ふん....貴様に話す事など何も無い....と言いたいところじゃが....まあ良かろう。貴様なら三首の神獣を始めとする“神獣級”はそれぞれに討伐特典が設定されているのは知っておろう?」
「.....まあね」
「ふん! ならば“神 獣”が基本的に不死であることも当然知っているのだろう?」
ランスロットの発言に、カズミ以外の面々が驚愕の表情を見せて....皆の視線がカズミに集まる....も、カズミはどこ吹く風といった様子だ。
「....撃破時核保全機構と規定時間復活の事ね....」
「そうだ。ヤツらはそもそもの成り立ちからその擬似魔力体を損壊しても核だけは....“どのような状況でも”緊急退避させる様にプログラムされている。あの若造がどうやって三首の神獣の核を手に入れたかは分からんが....本来ならそれは有り得んのだ」
確かに、元々“人類の本能を退化させない為の試練プログラム”の一部である神獣が、倒される度に消え去っては運用に支障が出るだろう。
「....まぁ、私はそのせいでこの世界に来たようなもんだからある程度の事情は知らされているけど....」
「フン.... 話を戻すぞ、本来なら神獣は倒されても一定期間が過ぎると復活する。ただ討伐者に対して討伐特典を残してな....」
「....つまり、あんたは“六翼の神鳥”を倒して討伐特典を受けたって事? その結果が“通常では有り得ない容量の魔力量”ってワケ?」
「まぁ...な」
「それって変じゃない? あんたの魔力量が増えるってのはつまり強くなるって事でしょ? それのどこが呪いなのよ? それにそもそも“神獣級”を討伐した人に呪いをかけるなんて“進化を促す”って趣旨からしてもおかしいし....」
「フン! 確かに“VR”の中ならどんなに魔力を注がれようと対処も出来る。だがヤツらがこの世界に実体化した以上その特典の意味も変わるに決まっておろう....」
「それってつまり“VR”の中なら問題無いパワーアップでも現実だと....」
「そういう事だ、儂が如何に魔力許容量が通常より高いエルフであろうと、そんな膨大な魔力を無限に注がれて耐えられる訳が無かろう? しかも、本来“神獣”が復活するための魔力をその身に注ぐ事で、新たな復活時には天敵は滅んでいる....全く良く出来ている事よ!」
そこまで聞いた時、その場に居た全員の顔に緊張が走る....そしてヴィクトールが呻く様に、
「つまり、今お主に注がれていた魔力がその行き場を失ったという事は.....?」
「フフフ....そうだ、お前達の想像通り“六翼の神鳥”の核は儂が既に死んだと判断したであろうな? ヤツはもう復活していてもおかしくないぞ? それに....恐らく復活して最初にする事は....儂の死を確認する為にこの場に駆けつける事だろうよ?」
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{申し訳ありませんが、私には判断出来かねる事案で.....主殿! 信じられませんが、何者かが大聖堂に張った結界に侵入しました!}
{??? 座標設定! 今すぐ大聖堂に行く! }
{了解! ....設定完了!}
{“ムーヴ!”}
詠唱した瞬間、大聖堂の奥に安置された“ギドルガモンの核”の前に転移が完了する。最初の避難時には、核のそばギリギリまで領民でひしめいていたが、奏多が現れた目の前には領民達が逃げ出してスペースが出来ていた。
ある程度予想していたが、そこには“外で見た顔”がヴィルヘルムとヒルデガルドの二人と対峙している。
「二人とも無事の様ですね。被害は?」
「カナタか? 大丈夫だ、今の所は....だがな」
ヴィルヘルムがサルダンから視線を外す事無く、静かに答える。ヒルデガルドも、普段は腰に佩いている剣を構え、やはりサルダンから視線を外さない。
当のサルダンは、先程外で見失った時と同じ年かさの姿のままだ。更にその身の周りに視覚で捉えられそうな程の濃密な魔力をまとっている。
「カナタ殿、ヤツがここに入り込んだ理由は分からんが....少なくとも友好的には見えん。それに、排除しようにも....今の状況では魔法では攻撃出来ん、周囲を巻き添えにする可能性が高過ぎるからな」
「そして、私からは何一つ気にする必要も無く大規模な攻撃魔法を使用する事が出来るという事だ。この意味は...改めて説明の必要はあるまい?」
サルダンは、突然現れた僕に対してもこれと言って驚いた様子を見せない、僕のスキルも把握されていると考えた方が良いだろう。
「あなたの事は、外での戦闘時から見せて頂いていました....が、よもや僕のテンプオーダーにまでスキル効果を発揮出来るとは....驚きました」
「いや、普通ならば君のスキルで隔絶された空間には、私の“多重存在”をもってしても侵入は困難だったろうな....種は明かせんが、仕事がらの幸運もあったから....という事にしておこう」
「まぁ、構いませんよ....強引な訪問は正直歓迎出来ませんが....来てしまったのならば仕方がありません。目的をお聞きしましょうか?」
「とっくに察しがついているのでは?....」
サルダンはそこまで言うと、口を噤んだ。この場でハッキリと口に出さない所をみると、あまり大っぴらにしたい訳でもなさそうだ。だがヤツの言い分を信じれば、それなり無理をしてまでこの場に現れた以上、まず間違い無いだろう....
「外の男も、あなたも....よほど“ギドルガモンの神獣核”が必要な様ですね?」
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