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トランスファー “空間とか異次元とかってそんなに簡単なんですか?”  作者: 鰺屋華袋


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58/102

外国には・・・外国の事情がある物ですよね? 58

 実は・・・どんな時間帯にアップするのがいいのか検証してます。けっして“適当にあげてる”訳じゃあ無いんですよ。_:(´ཀ`」 ∠):

     第一章     五四話




 それは・・・王弟ソルダート公爵が、王宮内の執務室としている、王宮南東区の一室での様子だった。




 元々、ソルダート公爵には王宮の外に別邸があり、王都に投宿する際はそちらに滞在する事が殆どだそうだ。今は肝心の王が、それこそ何時“崩御”するか判断出来ない以上、寸毫も王宮を離れる訳にはいかず、南東区の区画を一部自らの拠点として“ロビー活動”に勤しんでいた。まあ、この状況でこの男の立場なら、()()()不自然な事では無い。




 そんな活動の谷間、ちょうど空白となって一人きりになった時、その“人物”は現れた。ここであえて“人物”と表現したのは、タップリとした外套に“仮面”をつけて居た為、男女の判別が付かなかったからだ。




「随分、精力的に活動しておるようだな?」




 突然、()()()()()()()方向から声を掛けられ驚くソルダート公爵。くぐもった声音はこれまた性別を判然とさせない。




「貴様! 良く()()()()と私の前に姿を表せたな! 」




「ほう?何か問題でも?」




「抜かせ! 現在の王の()()は貴様の仕業であろうが! 」




「くくくくっ、語るに落ちるとはこの事よ。我等の()を目の当たりにして、()()を願ったのはおぬしではないか?」




「馬鹿な! ()()だけならまだしも・・・誘拐など頼んでおらんわ! それにワシが依頼したのは()()()()()()()()()()()()()()で、けして暗殺などでは無い! 」




「そう、()()よ。まぁ信じる必要は無いが・・・今回の事は、我等は預かり知らぬ事。必要も無かろうが、一応知らせておくぞ。」




「なんだと? 貴様らでなければ、やはり王太子(スクルージ)の仕業か?」




「それは知らぬな、興味も無い。必要な事は告げた、さらばだ。」




「待て! 話はまだ半分・・・! 」




 ソルダートが言い終わらないうちに、(くだん)の人物は、一瞬光ったかと思うと・・・その姿はもう影も形も無かった。




「おのれ・・・! どいつもこいつも! 」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




 “謁見の間”は静まり返っていた。僕のスキル“テンプオーダー”を応用して、何もない空間に、大きなスクリーンを展開し“盗撮”したソルダート公爵の証拠映像を流したのだが・・・




 殆どの人間は、内容もさることながら・・・映像を記録する()()など想像の()()だった様で呆然としている。まぁ実際は魔法では無くミネルヴァの()()の一端なのだが・・・




「ソルダート公爵、何か言いたい事が有れば聞こうか?」




 まるで、声に弾かれた様に・・・その身を震わせて公爵が振り向く。これまでせっせと作ってきた派閥の取り巻き達は、()()()()()を恐れて距離を取り始めていた。




「・・・兄上、こうなったのは・・・()()()のせいなのだ! 私は、この見た目は“美しく豊か”だが、その豊かさに胡座をかき、誰も! 彼もが! 好き勝手に振る舞い、国民から搾取する“汚職国家”をまとめる為・・・あなたの代わりに()()()()()()仕事を引き受けてきた! ()()()()()() 我等は()()()()()()()()()()() 何故? 私だけが薄汚れねばならん! 」




 なんと、双子である。二人とも健康的とは言い難い状態(方向性は真逆)ゆえ気付けなかった。当然王国の人々はそんな事で驚く事はなく、じっと聞き入っている。




「・・・もう終わりかの? 」




「・・・なんだと? 言うに事欠いて“終わりか?”だと! 他に言う事は無いのかぁ!! 」




「ふん! そんなに同情して欲しいか? 情けない! おぬしが、()()の代わりになれなんだのは()()わしの方が“優秀で図太かった”からに過ぎん。先代が血縁の順番()()で後継者を指名する様な()()()()なら・・・わしも、もっと()をさせて貰えたわい!」




「なんだと!」




 逆上するソルダート公爵を、子飼いの護衛が素早く押し包む。四人の剣士、一人の魔法使いが公爵を守る形に陣形を組み、




「ソルダート公! 最早ここ迄! 引きます!」




 剣士の一人が、素早く最低限の()()をして・・・有無をいわさず公爵を謁見の間から連れ出そうとする。




 衝撃的な映像に続いて・・・王と公爵の余りにも“明け透け”な舌戦に、毒気を抜かれた謁見の間では、誰も公爵が出て行こうとするのを止める事が出来なかった。それこそ王太子(スクルージ)の近衛兵も、どうすべきか迷ってしまい、王と王太子の顔を交互に見て行動を起こせずにいる。




 肝心の王は公爵()が出て行こうとするのを敢えて止めず、謁見の間の様子を眺めている。一応この()の予定も打ち合わせ済みではあるのだが・・・




 出口に辿り着いた公爵は・・・最早その叛意を隠そうともせず振り返り、




「王・・・いや()()()! 待っているがいい! 私は戻ってくるぞ!」




 セルディック4世は、猛烈な激情でその身を震わせて宣言する(ソルダート公爵)を・・・詰まらなさそうに眺めて、




「いや、そなたと会うのは()()が最後・・・この場が“今生の別れ”となろうな。さらばだ()よ。」




 王のセリフに公爵の表情が更に歪む、最早何も言わず扉より出ていった公爵一行だが・・・





「カナタよ・・・問題ないか?」




「ええ、“公爵御一行”には、扉の向こうで()()()()()()()()。」




 実は扉の外にはミネルヴァがあらかじめ“低酸素結界”を張っていた。




「全く・・・お主は“自分の事”をどう考えておる? わしに限らず・・・どんな王でも()()()()()()()()を持ったお主は・・・この世の法の()におる。何者もお主を止め得ないならば・・・お主は何を望む?」




 今のいままで・・・飄々としていたセルディック4世が不意に()()()()で問い質してくる。思わずビットナー伯爵との初対面の時を思い出した。




「陛下・・・どうも“権威の(いただき)に近い方々”は、僕の事を誤解される様ですね・・・正直に申し上げますが、王の“お持ちの物”も“背負われている物”も僕にとっては無用の長物です。僕は・・・ただ“日々の平穏”を取り戻す為に・・・()()に帰りたい()()の“憐れな迷子”ですよ・・・」




 セルディック4世は何も言わず・・・じっと僕の瞳を覗きこむ。この()の人間は、今までの人生の中でも()に居た。ある人は飄々と、また、ある人は粛々と、タイプは違えど共通しているのは、“自分は見せず”に“他人を見逃さない”()()()だ。




「・・・ふう、アローナよ!」




「!はい、陛下。」




「わしとカナタの約定は()()()! 最早、是非も無い! 直ちに()()()と共に戻って()()()()()()()()そのための全権を預ける。」




「・・・ハッ! 陛下の御心のままに! 」   




 そこで・・・不意に()()()()視線をアローナに向けて、




「アローナよ、今まで・・・そなたには不自由をかけた。故に褒美を与える! ・・・今度の仕儀を・・・そなたの最後の(つとめ)とする。カナタの()()を叶えた後は戻るも良し。カナタに()()()()()も良し! そなたの好きにするがいい。」




 ・・・何を言い出しやがるんですか陛下? アローナさんも・・・何をモジモジしてる? 誤解されるから()しなさい!




「・・・陛下、今は時が惜しいので・・・()()()()()()()()()()()()()()()()



 毎度の不定期更新で申し訳ありません。いつも読んで頂いている皆様ありがとうございます。




 新たに見つけて読んで下さった方は、是非今後とも宜しくお願いします。




 少しでも“先を読んでやってもいいか”と思っていただければ幸いです。よろしければ、感想・レビュー・ブックマーク・評価等いただければ励みになります。勿論「面白く無い!」というお叱りでも結構です。どうぞよろしくお願い致します。m(__)m 

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