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君はあるがままに なるように  作者: 風神RED
第三章 サムニウム族襲来編
32/134

さてどうしようか

あがるつもりだったけど、もう一話だけ更新してみた

昼からは又修行だ。主にカスミの。


だが、その前にお願いする事がある。


「ユメ? 」


暇そうにしている、ユメに声をかける。


「はいな? 」


「お前にお願いがあるんだ。食料の買い出しに行ってくれないか? 」


サムニウム族が襲来するかもしれないという情報は、今はギルド限定だが、迷宮都市中に広まるのは時間の問題だろう。そうなれば、食料や薪や消耗品の矢やポーション関係が間違いなく高騰する。薪や矢はともかく、食料だけは買っておくべきだろう。


「これで好きに買ってきてほしいんだ。買えるだけ。できたら保存の効くものがいい。」


金貨の入った袋をユメに投げる。


「オーケー行ってくるわ。帰りは馬車で帰ってきてええな? 」


「任せる。」


さて、カスミの修行の続きだ。こいつにも魔力保持量の限界はあるだろうから、そろそろ尽きるかもしれないが。そんな事を考えながらカスミの出すファイアーフィールド風呂に入っていると、意外と早くフィーネ姫とアメリアさんが帰ってきた。


「バンドー様? 私位階魔法を憶えてきました! 」


聞くと、ファイアーボールとライトとマジックアローを憶えてきたらしい。アメリアさんは位階魔法を憶えなかったらしい。


「私は剣と弓と固有魔法があるからな。いいんだ。」


そういえば、アメリアさんは純血エルフだったな。純血エルフとはハイエルフの血筋で、祖先で一切他種族と混血が無いために、エルフ種族の形状をより色濃く残している種をいう。

具体的に言うと、真っ白い肌に青色の目。白銀色の髪。頭のてっぺん近くまで尖った耳だ。

純血故に使えるエルフ固有魔法があるとかないとか。


「固有魔法って? 」


「むっ、まあいいか。そうだな、治癒魔法のホーリーライトと弓矢に魔法攻撃を載せるクレセントアロー、後は、イヴィストームかな。これは森でないと使えないが植物で相手をなぎ倒すというか、まあそんな感じの魔法だ。」


何か怖い魔法が入っている気がするが、気のせいだろう。

取りあえず、フィーネの魔法習熟度も上げさせよう。こいつは、魔力を貯め込むとロクなことが無いからな。


「バンドー様、凄いです! 」


フィーネが感動したように叫びながらバンドーにばんばんマジックアローを当てている。カスミも負けるのが嫌なのか、バンドーにびしびしサンダーを当てている。


「カスミはそろそろ限界だな。」


見るとちょっとふらついている。


「『魔力枯渇』までするな。寝込んでる暇はなさそうだからな。しばらく、休憩してろ。」


「うううっ・・。」


カスミが戦線を離脱した。バンドーはフィーネのマジックアローをびしびし受けながらアメリアさんに確認する。


「サムニウム族について聞きたいんだけど、あいつら何がしたいんだ? 」


非常にざっくりとした質問ですね、バンドーさん。


「そうだな、彼らは魔法文化を嫌っている。祖先は召喚されし者だという噂もあるな。」


「まじで? 」


バンドー達のいる世界、ネクストステージ・イルミタニアでは魔法が盛んであり、現代のような機械文明は皆無に等しい。何故なら、物理法則が効かない。正確には正常に機能しないので発展していない。


具体的にいうと、物を投げる という現象があったとする。現代では、それにかける物理的力が大きければ大きいほど、物は遠くに飛ぶがイルミタニアでは違う。何が違うかといえば、遠くに飛ばしたいと思う力が強いほど、物が遠くに飛ぶのだ。まあ、もちろん限界はある。


だが、ここでは意志の力が機械が出す力に勝るのだ。むしろ魂の力というべきか。そしてそれを自由に使えるようにしたのが魔法なのだ。もちろん、魔力が必要なのだが、イルミタニアに産まれた人間は、皆等しく魔力を持っている。ちなみに召喚されし者にも魔力が備わっている。それも通常のイルミタニア人より多く備わっている場合が多い。


と言う訳で、機械文明は発達しなかった。発達し難い。人間は自分にできない事を成し遂げようと機械に頼るのだ。自分でできるかもしれない事は、自分の力でやる。当然だろう。もちろん、馬車や水車といったものくらいはあるのだが。


だがサムニウム族は違うらしい。必要最小限度の魔法は使うというが、他は自然の恵みから授かった力を優先させるとか、何とか。


「自然の恵み? 」


「なに、簡単な事だ。木とか石とか鉱石に骨や皮だな。我々もそれらは使うが、彼らはそれに特化していると聞いた事がある。」


「強いのか? 」


「どうだろう。精強とは聞くが、30年前は1か月ほどの戦いで撃退したと聞くぞ? 」


ふむ。30年の間に彼らがどれだけ進歩したのかは判らないが、とにかく貴重な情報だ。


「フィーネ? お前、あれは返さなくていいのか? 」


あれとは、神盾『ゴッドブレス アラカン』の事だ。今だ納屋に立てかけてある。


「王様、許さんとか言ってなかったか? 」


「・・あれはフィーネの物ですよ? フィーネの言う事しか聞きませんし、王族魔法が使えない者にはただの盾です。」


いや、そうかもしれないけど王家の宝なんじゃないですかね?


「そうだな、アラカンは今はここにあった方がいいと私も思う。一応、念のために王に伝書を飛ばしておこう。しばらく、ここに置いてくれとな。」


アメリアさんがそう言うが、嫌だな、使う気満々じゃないですか。神宝どろぼうとか言われるのは勘弁してほしいので、是非ともお願いしたい。


「・・ひょっとして、お前ら出る気か? 戦に? フィーネ、お前防御魔法とかできんのか? 一応お姫さんなんだから、矢でも当たったら大ごとだぞ? 」


「アラカンが守ってくれます! 」


まじか、どこまで信じたらいいんだ? 意味そのままなのか、アラカンには特殊な守護でも付いてるんですかね?


「駄目だ!! 俺が許可しない限り絶対出るな! でないと、許さねぇ。お仕置きすんぞ?! 」


「ううううっ、判りましたバンドー様ぁ!! 」


フィーネ姫が何故か涙目なのは気のせいだろう。


夕方、バンドーは納屋前で自分の装備の整備に精を出している。やっと自分の事ができる。カスミにはフィーネと一緒にお風呂を沸かすように言ってある。ファイアーボール使いが二人もいれば、すぐだろう。お姫様にもできる事は、やってもらわなければならない。


「バンドーさん、戻ったで~! 」


ユメだ。どうやら門の前に馬車を待たせているらしい。一緒に買ってきた食料を台所と納屋に分けて運び入れる。


心配事はたくさんある。バンドーの家が建っている場所は郊外。迷宮都市デスパレスの形ばかりの城壁の、すぐ側だ。もしも迷宮都市デスパレスの近くにまで敵が来るとすれば、ここは戦場に近くなるかもしれない。そうなってくると、火矢のひとつも飛んでくるかもしれないし、最悪廃墟と化す可能性だってある。


まあ、そうならないように頑張るしかない。


「バンドー様? お風呂ですよ! できました! 」


フィーネが銀髪を揺らしながら駆けてきた。


「お前ら、先に適当に入ってろ。俺は最後でいい。ちょっとまだやることがあるんだ。」


装備の整備の途中だ。こればかりは途中でやめる訳にはいかない。


「私、バンドー様と一緒がいいです! 」


天使の笑顔で、そう言われても。

フィーネ姫が無邪気に言った瞬間、カスミが現れて姫を引きずっていく。


「姫様、先にお風呂に入りますよ?! 一緒に入りますよ? バンドーさんの邪魔しちゃ駄目です! 」


カスミも強くなったな。









仕事がぁぁぁx

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