プロローグ
酒に酔った勢いで書き始めた小説で、ラストはまだ決めてないです。完全なる趣味の世界なので不定期更新になるかと思います。
生暖かい目で見守ってやってください。
主キャラのバンドーには好き勝手やらせたいと思っています。実はR18で5話ほど書いたのですが、このままではとてもバンドーがエロしてくれそうにないので、R15に転生しました。
初作品なので試行錯誤の雨あられです。
俺は阪東英一、24歳。友達や知り合いにはバンドーと呼ばれている。Fランクの大学を中退してずっとバイト、つまりフリーターだな。
今のところ身体強健、精神に異常はないが、子供の頃はぜんそくを患い、ぜ~は~言ってるもやしっ子だった。もうそれは克服したと、その時までは思っていた。
だが、異変は唐突に訪れた。雨の中、体調の悪いのを我慢して交通量調査に精を出していたらずぶぬれになり、ちょっとふらつくな~とか思っていたらぶっ倒れた。同じ交通量調査をしていたバイト仲間が救急車を呼んでくれて病院に運び込まれたものの、幼い頃に克服したと思い込んでいたぜんそくが、ぶり返したのか、ぜ~は~言うばかり。
医者の「肺炎を併発してチアノーゼ状態だ。」とか言うセリフを耳にしながら、そのまま意識は暗闇の中にに吸い込まれていった。
本当にこれで終わり? 俺は死んだのか?
「私はあんたを許さない! 」
女の声がする、遠い声。聞いた事があるような・・・・、お前は誰?だっけ・・。誰だろう、高校の時に付き合っていたやつの声に似ているような・・・・未練だな。
きっと、あれだ。死ぬ前の何とかというやつだ・・。・・・・もういい。
俺は意識を手放した。まっすぐに落ちていく。・・俺はもういいんだ・・。
・・・・深みにはまり、落ちていく。だが本当に意識を失っていたなら、そんな事を思うはずもない。
けれど・・・・。
覚醒した・・・・?
意識が戻った時、俺はベッドの上だった。しかも相変わらず、ぜ~は~言っている。
しんどい、苦しい。俺はまだ生きているのか?いや生きているから、しんどいんだよな、そんな他愛もない思考がうずまく。
(あれっ?病院ってこんな天井だったっけか? )
木目の天井を見上げながら、ぜ~は~。
「ケイン、もう大丈夫よ?! 神官様がいらっしゃったから、もうすぐ楽になるわ! 」
母上、いやあれっ? 誰だっけ・・。意識がもうろうとしている。俺は一体誰だっけ・・?
かすむ視界の中に見知らぬ男の姿が。やがて男はベッドでぜ~は~言ってる俺に向かって杖を差し出して呪文を唱えた。
「聖なるイシスの名において命じるグレーターヒール! 」
光が、まぶしい。だがそれだけだった。いや、ちょっとだけ本当にほんのちょっとだけましになったか?
途端に俺はせき込んだ。しかも激しく。
「なに~?! 」
俺に呪文を投げかけた男が驚愕の表情を浮かべていた。自信満々に唱えた呪文が俺に効いていないのがショックだったらしい。
「一体、どういうことだ?! 」
それは俺のセリフですよ、先生。いや神官様か?
「なんで~?! なんでよ~?! 」
これは母上の声だ。どうやらパニックに陥っている。
「神の御名において唱えられた聖なる呪文が効かぬとは、この子は呪われている!! 」
「なんでよ~?! 」
どうでもいい、つらい、しんどい。俺の意識はまた、深みにはまっていった・・。