彼女の為に色々暗躍するストー……げふんげふん
「それでは会議を始めます」
あの日から10日経っている委員長の五月司が司会をするこの会議は彼女のストー……げふんげふん。安全を見守る僕達の報告会になっていて、それぞれの部署に別れて行っているそれのすり合わせをするために初日から行われている。
「最初に彼女のストーカーから」
「何時も思うけど言い方悪いわよ」
お嬢様を筆頭としたメンバーが五月を睨む。
「なら、インジビブル護衛で」
「……もういいわ」
ため息をついてお嬢様は報告に入る。
「朝からメイドに起こされて寝ぼけたまま鏡の前に座らされて髪をとかされていたわ。その後、食事。パンと目玉焼きとサラダを食べたわ。ここの食事はあまり美味しくないのでいつも通りメイドに入れ換えさせてこっちの用意した物を出したわ」
初日に出された固いパンに彼女が噛みついているのをほっこりと見ていたがこれではいかんとお嬢様の一声で生産系の能力者が集められ精神操作系を連れて調理場に雪崩れ込み内部調査と調理をできるようにした。
「この後、魔法と戦闘訓練。危なそうなのは受け止めて補助してやったわ」
どや顔で報告するがしたのは補助系の魔法が使える者と盾術を持つ者だ。お嬢様は何もしていない。
「それとこれが気になった兵士。どっかの息がかかってるかもしれないから調査お願い」
お嬢様から渡された紙は諜報組を統括する精神感応スキルを持つ腰脇中が受け取った。テレパスで何かあった時の連絡する係りから諜報組を仕切ることになった腰脇は手渡された紙を隣に座るメガネの娘に渡す。その娘は紙の中身を確認すると頷いてポケットにしまった。それを見た後、腰脇は話し出す。
「それじゃ、僕からだけど。裏で商人と繋がっている人と大貴族の小飼の兵士を当たったけど商人は闇ギルドと繋がっているからこらしめといてね」
「そっちはこっちの管轄だな」
腕を組んでうなずく哲河辺斗米留は城下町の冒険者ギルドで金を稼いでいる。ギルドで日帰りできる依頼を受けながら空間系スキル持ちと一緒に生産系を連れて素材とかを持ち帰ってくる。食材も入っているので旨いものも食える。もちろん彼女もだ。そうして危険な盗賊とか城下町の闇組織も潰している。
「俺の方は特にないな。素材と食材は渡しといたからな」
「あるだろ? 絡んできた奴をのしたの。あれは上位グループのしたっぱだからな!」
「そうだっけ?」
哲河辺の隣に座る線の細い男子があった事を付け足す。
「しばらくは大人しくしとけよ」
「……女が絡まれてたから助けたんだが?」
「女に会ったら土下座するように調教しといてねそのクズ」
「……おう」
お嬢様の笑っていない笑みを向けられて冷や汗をかく哲河辺。その気持ち分かるぞ。怖いもんな。
「僕は魔王の方だな。今のところ動きはない。工作員はいくらか来てるんだろうが」
こっちは勇者の御木月と剣聖の竜胆寺。空間系に魔族との国境付近まで行ってもらい動きを探ってもらっている。現地の人も(おもに女)を味方につけて情報を集めている。
「城下町の魔族の工作員はいくらか位置は掴めているからそう心配しないでいい。危険なのはお嬢様だ」
「「ああ~」」
「何でよ!」
僕の言葉にみんなが納得してお嬢様が吠える。鬼威圧。あれは危険だ。彼女の後ろに付いて回り、難癖付けて来る奴に発して軽くならば顔色悪くなるだけだが、ぶちギレた時はいきなり泡吹いてぶっ倒れる。意識を回復してもしばらくは使い物にならない。兵士達の間では『勇者の覇気』と呼ばれている。
「あいつらあの子にいちゃもんつけたり、遠回りに挙げ足取ろうとしたり、口説こうとしたりするし」
「よし、口説こうとした奴はどいつだ? 暗殺してくる」
「待て、御木月。そいつらが再起不能組だ」
「何故、止めを刺さない?」
「やったら彼女に皺寄せが来るって」
それでも行こうとする御木月を止めていると、腰脇がボソッと呟いた。
「そういえば……明日っから外で魔獣相手に戦わせるって言ってたね」
それから腰脇の尋問に代わった。腰脇、グッジョブ! ひとしきり尋問されて汗まみれになって倒れるデブをその辺に棄てると、誰かが呟いた。
「それで明日は誰が着いていくんだ?」
この後、壮絶なじゃんけん大会が行われた。




