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Another World ~仮想から現実へ~  作者: 小野町まいく
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プロローグ

いつものように大好きなオンラインゲームを俺はプレイしていた。


ヘッドギアを使いユーザーの思考、感覚、視覚、触覚、痛覚、聴覚、味覚などを仮想空間にてその全てを感じることができる世界。


full dive system。それによって実際に思考した通りにゲーム内のキャラクターを現実と同様に動かすことができその世界を冒険することが出来る。


ただ違うのは普通とは違い、レベル、スキル、によって格段に速さや力が変わること、それが現実と違うところ。このゲームには魔法はない。回復アイテムはある一点以外は。それ以外は現実と寸分違わない位のところが一番色濃く出ているのがこのゲームの最大の個性である。極端な話ゲーム内で死ぬとゲーム内で完璧死ぬ。二度とそのキャラは使えないのだ。


自分の分身であるキャラクターは死んだらそのキャラクターはこのゲームでは使えなくなるのだ。それがこのゲームの最大の個性であり最悪の個性でもあった。でも、そのリアルさがウケて、爆発的に供給され、どの家庭のパソコン、個人のスマホでもタブレット端末でもヘッドギアと赤外線などで繋げば遊べるので十代には勿論かなりの幅広い層にも手軽で、身体の不自由な人にもバーチャルな世界だが自由自在に動かせる身体が得れると評判なのだ。そう言う理由もあるので、必ずと言って良いほどの確率でダウンロードされていた。


そしてこのゲームは世界的な人気を誇っている。何よりもfull dive systemはこのゲームを開発した会社オーキス社の独占商品なのだ。様々な企業が分析、解析を試みた結果。どうやっても再現出来なかったらしい。何世紀も先を進んだテクノロジーを使われているらしくとてもではないが再現は不可能とも言われている。それはともかく、このゲームの名前なのだが。


Another World Online


略してAWOと呼ばれている。もう一つの世界。そのままだがわかりやすく語呂も良いので名前についての批判はないから悪しからず。


俺はAWOの初期バージョンから最新までをプレイしている古参の一人でありトップユーザーの一人の綾月(あやつき) 諸刃(もろは)ことプレーヤーネーム諸刃である。名前が本名なのは珍しい名前だから本名を使っても問題ないだろうととても安易な理由でそのまま使うという怖いもの知らずな男とでも思っておいてくれ。ツッコミは受け付けない。しがない中小企業の入社4年目の23才彼女無しのフツメンだ。断じて不細工ではない……と思う。自信はない。


そんな俺は今日も仕事終わりにログインしていた。


2256. 12/4 20:37

基本的にソロプレーヤーだったのでソロでレアなアイテムが一定の確率でとれる狩り場にてひたすらそのアイテムがドロップするモンスターを追い回していた。


「ふぅ。なかなかとれないなぁ。流石はドロップ率0.0000分の1%の鬼畜数値の超激レアアイテム簡単には落としちゃくれねーかぁ」


ため息を付きながら武器を鞘にしまう。倒された的は素材を剥ぎ取った後自然と消える。剥ぎ取りは本物に近く、かなりエグいものとなっているよりリアルさを追求するものとなっているからだろう。最初はキツかったが今は慣れたものである。何せ高校の時からやっているのだ手慣れたものである。


「にしても、本当にとれるか怪しくなってきたぞ」


AWOの裏掲示板を何となく見ていたところ匿名でどこぞのユーザーが書き込んでいたものだ。『アルバルの遺跡の最奥にある場所で鬼畜な確率で激レアのアイテムが取れるモンスターがいるらしい……』と。少し前に流行った情報だった。様々なユーザーが挑戦しそのモンスターを狩りに狩りを続けたらしいが一向に落とさなかったという。そもそもそのモンスターはアイテムを一つも落とさないのだ。何度狩っても何度狩っても。色々な憶測が飛んだ。『デマだ!』とか『多分確率が0.0000分の1%でしかとれない』とか『イタズラだったのだ』とか等、他に様々と。俺は流行りに乗っかるとかが嫌いだったので、その手の話はスルーしていた。一年が経ち話が忘れ去られようとした時に俺はふっと『そういえばこんなことあったけ?』と思い出して。廃れたデマかも知れない話をほじくり返して今は誰も近寄らないアルバルの遺跡の最奥に一人毎日足しげく毎日通っているのであった。


「やっぱデマかな?」


足しげく通ってはや半年。流石に辛抱強い俺もしびれを切らしてきた。探す、たたっ切る。探す、たたっ切ると毎日、毎日と繰り返していた。ルーチン化した作業をこなしている工場の作業員かと思うくらい同じ行動を黙々とこなしている。


「でも、何か気になるんだよな」


呟くも、この場には諸刃ただ一人しか居ないので台詞が木霊する。目的のモンスターを倒しきってしまったので余計に静かであった。再出現時間…つまりリポップまであと数十秒位だろうか?あと一匹狩ったら帰ろうと心に決めてリポップを待った。


「明日も仕事かぁ~休みたいなぁ~暫く休んでないし。明日休んじゃおうかな?有給消費しろって言われてたし。でも、急に言っても通らないよな?休みとるのって面倒臭いな…」


等と愚痴を溢しつつリポップを待つ。そして、リポップ時に出る現象が視覚で確認できた。まさか白く光、モンスターが実体化していく。ここ最近嫌になるほど狩り倒してきたモンスター半透明なローブを被った顔がわからないモンスター寧ろモンスター七日すら不明。倒せはするのだが経験値が入らない。何もドロップしない。噂の真相はわからんが、このモンスターこそが噂のモンスターだった。


名前を『名も無き亡霊』と言う。ちなみに攻撃もしてこない。俺はとっとと帰りたかったので、瞬殺すべくリポップ時直ぐに『名も無き亡霊』に近づいた。そして愛刀であり刀身が黒く切れ味と攻撃力がトップクラスの折れないシンプルなデザインの不人気武器の課金アイテム『黒田貫』でたたっ斬った。(ちなみに不人気の理由は大抵の課金アイテムは豪華でド派手で厨二心をくすぐる武器ばかりのなかで酷くシンプルだったのが理由。逆に諸刃はその普通さと黒い刀身が渋いと思い愛用している何より耐久値が無いから手入れも簡単だからだとか)てなわけでたたっ斬ったわけだが、最後のモンスターが消える時予期せぬ出来事が起きた。


帰ろうとした矢先についにドロップが出てしまったのだから。


気が向いたら書きます。

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