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弱くてニューゲーム  作者: お豆太郎
4/4

対偶

 

  「助けて」


 

  ◆


  その言葉が頭の中で何回も繰り返し再生される。

 

  昔、よく何度も人々から言われたことがある言葉だ。


  昔の俺なら二つ返事でその願いを受け取れたが、今現在俺の方が助けてほしいくらいだ。

 

  おい、ちょっと待ってくれ。

 

  先ほどから、思っていたのだが、

  この子はなぜパンツ一丁の俺を見ても驚かないのか。


  少しもそういう素振りをしていない。


  もしかしてだけど、この子、、、 俺のこと好きなんじゃね?

 

  そういうことだろ!そうとしか考えれない!


  彼女以内歴年齢の俺にもとうとう春が来た!


  と、いつも通りの馬鹿な想像はやめてちゃんと話を聞こう。


  「助けてって、どういうこと?」


  「その通りの意味です。この村を、私達を助けてください!」


  村を見る限り、特に損壊は見られない。

  村自体、そうおかしな所は別にない、ただ一点をのぞけば。


  「この村やけに人が少ない気がするんだけど、それも関係ある?」

 

  人が少ない村や集落は、そう珍しくはない。


  しかし、いくら人が少ないと言っても、この子を除いて誰一人外に出てきてないというのは、俺からしたら異常な光景だった。


 

  「はい、、、実はこの村には、

  魔物が住み着いているんです」

 

  何!?村に魔物が住み着く!?

 

  そんな事、聞いたことは一度もない。


  さすがにこれには、ただならぬ違和感を感じずにはいられなかった。


  もしかして、村ぐるみで俺を騙そうとしてる?


  いや、こんなパンツ一丁の俺から取れる物なんて、ただのちんけなひのきぼうしかない。


  この子、俺のひのきぼうを狙ってんのか、やっぱり俺のこと好きなのかな。


 

  「あの、、、」


  「信じてくれないと思うんですけど本当の話なんです」



  「信じたいけど、そもそも村に魔物が入って来るっていうのは、聞いたことがない」


  そうなのだ、村には魔物が入ってはこれない。

理由は未だに解明されていない。

まぁ多分、神のご加護的なもんだろう(小並感)


 


 

 

  「どうしたら信じていただけますか?」

 

 

  「実際に見て見ないと、わから、、、」


  俺の言葉は、突如起きた爆音と爆風で遮られることになった。


あまりにも強い風で服が飛ばされそうになる。

あ!俺パンツしか履いてなかったから、飛ばされるもくそもないわ。


  黒い巨影が村全体を包み込む。


  天空から、何かが急降下してきている。


  その影から作りだされるシルエットには何度か見覚えがある。


  その影がだんだんと近くなる、遂にはその影の主は華麗に俺達のいる村へ着陸した。


  深い赤に染まる体躯それと対照的に写る研ぎ澄まされた青い瞳。

際限なく広がっている翼には嫉妬すら抱く。

  口からはみ出ている大きな牙。地面に深く突き刺さっている鋭い爪。




何故コイツがこんな所にいるんだ、、、

しかも、村の中に入ってきている。




目の前には確かにドラゴンがいた。

 


  「ね、言いましたでしょう!」



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