ゲームオーバー
俺もうゲームオーバーだな。
◆
その後、俺は気配を消して、近くを歩き
回った。
そう、この俺は熟練されたボッチだから
気配を消す事なんか造作でもない(涙)
そうだ、俺最強だから仲間なんて
いらないなー(棒読み)
読者が間違えるといけないから
言っておくが
「この男は最弱である」
え、なんだって?
しまった、勝手に俺の難聴スキル
が使われてしまったな。
このスキルは便利だぞ、自分の嫌な
ことは聞こえないんだ。(嘘)
◆
そんな馬鹿げた事を考えながら
探索していると、灯りが集まって
いる所が見えた。
あまり規模的には大きくはない。
「街にしては小さいな、村だな。」
とりあえず、村に近づいてみる。
今、俺はパン一なので見つかったら一発
でアウトだ。
ここは当然、磨き上げたボッチスキル
で近づく。
村の周りは質素な、木の柵で囲ってお
り、所々に穴が開いている。
俺はその穴から中の様子を伺った。
あれ、俺一応世界を巡ってきて、
だいたいの場所は記憶しているはずだが、ここに来た記憶は一切ない。
少し、違和感を感じたが、俺にも来たことがない村ぐらいあるか。と、その違和感を一蹴した。
村は、閑散としており、外には人が
一人もいない。
何だろうここ、みんな自宅警備で忙しいのかな?
みんな自宅警備員なら、就職率100%じゃん俺もここに永住しようかな。
そんな馬鹿なこと考えていた途中、
自分の背後から気配を感じた。
つい、何の注意もせず、普通に振り向いてしまった。
振り向いた先には、こちらを訝しげに
見つめている、少女がいた。
赤いフード付きのローブを、着ており
深く被ったフードから、決め細やかな
黒髪がはみ出ている。
ヤバい、第一村人発見!いや第一変態発見!されてしまった。
もう終わりだ、、、、
ゲームオーバーだ。
そんな俺の情けない心の中の声は、
彼女の一言により掻き消された。
「助けて」