表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

静かに終わろう。

作者: Ciel

初投稿!

この言葉を貴方に届けたい。


考えると躊躇ってしまって喉の動きが止む。


其れほどの貴重な時間を今日、

作ってくれた友人にとても感謝。


声で空を響かせてまで•••貴方に届けたい。



 


ある日、久しぶりに電話が震え、着信を伝えてくれた。

誰でも嬉しいのに、貴方からだと期待する僕だった。




電話が繋いでくれるお陰で、友人からの声が聞こえた。 



その内容は簡単な意味で、手短に終わり

ほっと心が落ち着く会話となって、気分も爽快。


今、貴方が友人の元へ遊びに来ていると言うお知らせで、

直ぐに其方へ駆け出してでも行きたいと伝えると、

要領よく受け入れてくれた優しいたった一人の友人。


必死に心が躍り、息が切れかけ始めても

足は止まらないまま全力疾走するだけだ。


それ程の気持ちが僕の心に座ってる事を

気づかされる日でもあった。




友人の家が見えて、安心したのか

体全体が急に重くなっても、顔は笑っていたのだ。


此が僕にとっての幸せとと言うお知らせだ。


インターホンを鳴らすと、出たのが貴方だった。


まるで空のように透き通った声をしていて、

声が震えてしまったから、手を抓ると

緊張状態が増してしまって、余計に声が震えた。


それに気づき貴方は優しく笑い、駆けつけてきてくれた。


このインターホンの前に一人立っている僕の所まで•••




会った時に舞い上がる心。


この想いを今日、やっと伝える事が出来る日にしようと

決意した瞬間だった。




『僕は、友人にも貴方にも会いに来ましたけど

 友人には何時でも会えます。


 これからも、貴方と笑っていたくて

 会える時間が増える関係になっていけばいいなと

 想っていることを伝えに来ました。


 友達以上になれる可能性がもしあったら

 この想いを、受け取って下さい。』




こんな言い方をして、何も持ってない僕に対して

どう受け取ってくれるかを、少し試してしまった悪い癖。


貴方は優しく笑って、僕の想いを空へと消したのだ。


『ほら! 友人が待ってるよ!

 私はずっと友達以上になれないから•••御免ね』


声も心も身体も動かなくなるくらい、動揺してしまった。

結果を•••予測出来なかった自分に腹が立ち、

貴方の顔を見ずに、去って行こうとした時•••




友人の叫ぶ声が、唯一僕の足を止めてくれる鍵だった。


『彼女はお前が好きなんだ!

 でもな! 料理が不味い事にコンプレックスを

 抱いてるんだよ!!!

 こんな事だけで、断るのって間違ってるよな!!』


ふいに振り返るとともに、驚きが隠せない。

そんな事を考えてたなんて、一度も気づかなかった•••

声をかけようとすると貴方は静かに笑う。


貴方が笑う笑顔から、心が読めない•••

優柔不断なりに、決意した。



ただ、静かに抱きしめた、

•••そんな事しか思い浮かばなかった。


『貴方と違って、恋愛経験無いけど、

 君を笑わそうと頑張ることが出来るよ。


 だから僕に恋愛を教えてね?』


この言葉に深い意味を込めたかったけど、

コンプレックスを抱えてる貴方の気持ちにはなれない。

だから、こんなことを言った•••





貴方はその後、僕にどんな反応をしたのですか?

僕とつき合えていますか?

貴方は幸せに暮らせてますか?



こんな中途半端な所間でしか思い出せない•••

どうして記憶を無くしたんだろう•••

貴方の顔が思い出せない。

貴方がもう空へ滲んでしまったことが分からない。

もしかしたら、星になって輝いているのかも。




友人が今も友人で、貴方のことを話してくれました。





貴方と僕は付き合って幸せだったんだって。


でもね、僕は貴方の顔が思い出せず

すぐ忘れてしまうから貴方は辛かったんだって。

毎日、僕に言ったんだって。


『貴方を愛してるから、貴方を愛したくなかった。』


僕も逝きたかった所へ

先に逝ってしまったんだってね。


この言葉がとても深い意味だと気づかず、

僕は毎日呟いては、友人を困らせるほど

貴方の話をいつも聞いては毎日忘れてるんだよ。


僕も同じだよ。


ずっとずっと貴方と友人には沢山迷惑かけたね。




空に言うこの言葉。


貴方に届くかな?




『すぐ、迎えに逝くから待っててね』





end:

お疲れ様!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] こんにちは。作品読ませていただきました。 オブラートに包まれた会話が、直接気持ちを伝えることのできない様子を現わしていて、 作者さんはとても繊細な方なんだなあと思いました。 >此が僕にと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ