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君とあたし1
熱くなる、ココロが。
君があたしを見るたびに。
本当は口に出して、言いたいけれど。
それがなかなか、できない。
心臓が早く、動いてしまって、いつも、あたしは気を失ってしまう。
お願いだから、あたしを見ないで。
体が、心が熱くなって、どうしようもなくなってしまうから。
あたしはいつものように、うるさく鳴る目覚まし時計をばしんっと叩いて、止めた。
まぶたを開けてみれば、カーテンから、洩れている光で朝だと、気づく。
「…今日も学校か。あいつにまた、見られて、気を失うんだ」
独り言をつい、言ってしまう。
あたしにとって、あいつに会うのは、悩みの種になっている。
ため息をつきながら、起き上がり、伸びをする。
ベッドから出て、顔を洗いに行ってこようと立ち上がった。あたしは、あいつの顔を思い出しかけたけど、首を振って、脳裏から、追い出したのであった。