気付けば始まり。
小さい頃…物心ついた時から、傍に居るのが当たり前で。
だから、成長してもそれは変わらなくて。
中学も、高校も、ずっと同じ学校で。
行きも帰りも一緒に帰ってきて。他愛もない話をして、お互いに笑いあって。
それが普通だって思った。そうしたら、友達に言われた。
それはきっと、好きなんじゃないか…って。
今までに好きだった人も何人かいたけれど、その人達に抱いていた気持ちは全く無くて。
別に何も無い、と言えば。
きっとそれは、気づいていない<フリ>してるんだって言われた。
自分に素直になれば。とも言われた。
今のままでも充分素直だし、何も気持ちなんか抱いていない。
でも。言われてしまえば意識はしてしまうのは当然で。
その日の帰りに、いつものように二人で帰っていると。
つい、見てしまう。今まで、そんな事は無かったのに。
好きな人、いるのかな。
どんな人がタイプなんだろう。とか
そんな事ばかりが頭に浮かんで。
ずっと横目で見ていれば。
どうした?って聞いてきて。思わず目を逸らして、ぶっきらぼうに…別に。とだけ答えた。
心臓の音、聞こえてないかな。
顔、赤くなってるのが見えたかな。
そうか、ってあっちもぶっきらぼうに答えた。
それから、会話もなくなって気まずくなった。
どれ位時間が経ったのか、分からないけれど。唐突に
すきだ。
って聞こえた。二人共、絶対顔が真っ赤なんだろうって思った。
私も、好き。
そう言いたい。
でも、私は意地悪だから。ちょっと悪戯心が出てきて。
先に歩いて、足を止めて振り返った。
顔は赤いんだろうなぁ。私も、君も。
そして、小さく言ったんだ。
「好きだなんて言ってやらないんだから。」
ベタ過ぎてノーコメントでお願いします。
突発的に書いてみました。