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声で割れる帝国—帝都蜂起から琉球独立へ—  作者: ろーむ
第一章 帝都蜂起

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帝都落城

二〇一五年八月十五日 終戦記念日





「至急至急!万世橋2から東京本部!現在秋葉原駅前において銃撃を受けている!マル被は陸軍の軍服を着用!至急マル援願う!」


「東京本部了解。東京本部から各局――」


「至急至急!東京311から東京本部!NHK前にて陸軍の装甲車から銃撃を受けている!PM1名負傷!至急マル援と救急の要請願いたい!」




「と、東京本部了解。」




「東京本部から各局――」




***





二〇一五年八月一五日。いつもと変わらず隊舎で事務仕事と格闘していた午前十時。七十年前に大日本帝国が輝かしい勝利を収めアジアの盟主として確固たる地位を築いた記念すべき日に、帝都東京は各所において激しい銃声が轟いていた。銃撃を繰り返す不明勢力は都内各要所を抑えるべく同時多発的に沸いて出たようだった。都内中心部には毎度のことながら我が警備部の精鋭機動隊が展開しており各所で激しくマル被を制圧しようと・・・いやもはやこれは制圧などという次元ではない。ほとんど戦争のようだった。無線から聞こえる所轄、自ら、機動隊の悲鳴のような応援要請。我々銃器対策部隊も既に出動準備を整え特型警備車に乗り込んでいた。




「どうなってんだまったく」




警備部第六機動隊銃器対策部隊第三小隊長の陣川警部補が助手席で無線を片手に眉を下げている。




「状況はどんな感じですか」




エンジンをかけながら小隊長殿に声をかけた俺、歌川正輝巡査部長は公安部からの出向組だ。




昨今の陸軍の動きがきな臭くなりつつあった情勢にあって、公安部から陸軍担当者が情報という武器を警備部に提供するべく何人か出向していた。




「どうもこうも九方面と八方面はほぼ壊滅状態、十方面と四方面は所轄ごとにてんでばらばらに後退中、都心部はあっちこっちでドンパチで無線は錯綜、どこに出動したらいいかもわからん」




なるほど状況は最高のようだ。まさか都心部の警備が一番厚くなる終戦記念日に蜂起するとは敵さんは相当肝が据わっているようだ。これでは公安部もまだ混乱していることだろう。どこに向かえばいいかを思案しているところに無線からけたたましくセルコールが鳴り響いた。




「東京本部から各局東京本部から各局、現在東京都内各方面において陸軍部隊と思しきマル被の集団が、警察及び重要地点に向けて攻撃するというG事案が進行中。各署各局においては管轄内重要地点警備及び陸軍部隊の発見検挙に努められたい。なお現時点をもって都内全域緊急配備とする。回信は省略。以上東京本部」




「通信本部の連中は余程のアホらしい。一般警官の豆鉄砲で陸軍とやりあえと」




陣川警部補は無線をたたきつけて俺に命令した。


「とりあえず皇居方面へ行こう。皇衛派なら皇居とその周辺を抑えようとするはずだ」




ひとつ頷いて皇居へと車を向ける。道中聞こえてくる無線によれば各方面で警察部隊は後退を強いられているようで都心外周はほぼマル被の手に落ちたようだった。しかし精強なる機動隊はなんとか皇居に陸軍を入れまいと奮戦しているようだった。俺の車は幸いにして品川の駐屯地を出てから芝公園まで散発的な銃撃はあったもののほとんど陸軍とは遭遇しなかった。これなら無事皇居までたどり着けそうだ・・・そう思った次の瞬間だった。




「前方に戦車!回避!」




陣川警部補の悲鳴と共に俺の視界は暗転した。




この日、帝都東京は東京都警察部第七方面の一部を除いて陸軍の支配下に落ちた。


お読みいただき、ありがとうございます! 今後の帝都の物語の展開を楽しみにしていただければ嬉しいです。 作品の応援(ブックマーク、評価、レビュー、感想、シェア)は、物語を描き続ける上での大きな力となります。ぜひ、今後ともよろしくお願いいたします。

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