リオンの誓い
診療所の夕方、明日香は患者のカルテを整理していた。
疲れがまだ残る体を椅子に預けると、リオンがそっと隣に座る。
「今日も頑張ったな」
その言葉に、明日香は小さく笑う。
「まだまだ……でも、少しずつ……町の人たちを助けられている気がする」
リオンの目は真剣だ。
「俺がついてる。お前が倒れそうになったら、俺が守る」
その声には揺るぎない決意が込められていた。
明日香は照れくさそうに視線を落とす。
「……ありがとう。でも、私もあなたを守りたい」
互いに目を合わせ、言葉にはできない想いが静かに交わされる。
小さな町で過ごす毎日、命を救うことが、二人の絆を確かにしていく。
その夜、診療所の窓から見上げた星空の下で、リオンは誓う。
「必ずお前を守る。この町も、お前も……どんな困難が来ても、俺は離れない」
明日香の胸が熱くなる。
弱い体でも、病弱な少女でも、彼がいれば乗り越えられる――そう感じた瞬間、未来への希望が胸に広がる。
翌日から、町の人々の信頼はさらに深まり、明日香の存在は「白衣の天使」として広く知られるようになった。
リオンも、戦士としてだけでなく、守るべき人を守る存在として成長していく。
こうして、二人の絆は固く結ばれ、町の小さな診療所は異世界での医療改革への第一歩を踏み出す――。