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決戦と絆の証

 朝の光が差し込む街は、一見いつも通りだった。

 だが、リリアの胸には、昨夜の余韻と戦いの記憶がまだ熱を帯びて残っていた。


 「……来る、絶対に来る」

 リオが低く呟き、剣の柄に手をかける。

 ガイルもその隣で身を引き締め、カイルは道具を再確認。

 セリナは緊張した面持ちで、治癒魔法の準備を整える。


 街外れの教会付近。黒い影が動き、人々の不安を呼び起こしていた。

 ——教会の刺客だけでなく、権力を背景にした勢力が、一斉に街を制圧しようとしている。


 「皆、位置について!」

 リリアの指示で、仲間たちはそれぞれ配置についた。

 心臓が早鐘のように打ち、掌が少し汗ばんでいる。

 でも、その背後には昨夜の密談で交わした想いと信頼があった。


 最初の衝突が始まる。

 鋭い刃、飛び交う魔法、そして仲間の叫び。

 リリアは負傷者を守りつつ、反撃の光を放つ。

 「……私たちを、止められると思ったら大間違い!」


 闇の中で刺客が迫り、リオが盾を掲げ、ガイルが力強く斬りつける。

 カイルは罠を仕掛け、セリナは仲間の傷を癒し、後方を守る。


 戦いの中で、リリアはある刺客と目が合った。

 若い瞳、でも決意の光が宿る。

 「……あなたも、守りたいものがあるんだね」

 思わず胸が締めつけられる。戦う相手にも、物語があることを感じる瞬間。


 炎と影が入り混じる戦場で、仲間たちの連携はさらに強固になっていく。

 「絶対に負けない!」

 リリアの叫びに、仲間たちが応える。

 ——この瞬間、街を守るため、仲間を守るため、私たちはひとつになったのだった。


 遠くで教会の本隊が動き出す気配を感じ、リリアは深呼吸する。

 「……まだ始まったばかり。だけど、私たちは負けない」


 蝋燭の揺れる灯りのように、希望と決意が街を照らす。

 嵐は間近に迫っている――しかし、私たちの絆はそれ以上に強く輝いていた。

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