表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/60

余韻の刻

戦いが終わり、街は静けさを取り戻した。

 夕陽が建物の影を長く伸ばし、赤く染める中、私たちは診療所の中で互いの安否を確かめていた。


 ガイルは肩で息をしながらも、微笑みを浮かべる。

 「……ふぅ、なんとか無事か」

 「ええ、みんな無事で良かった」

 リオが安心した表情で頷き、私の肩に手を置く。


 セリナは小さく震えながらも、仲間たちに目を向ける。

 「怖かった……でも、みんなと一緒だったから耐えられた」

 涙がこぼれそうになり、リリアはそっと彼女の手を握った。

 「ありがとう、セリナ。あなたがいてくれて本当に助かった」


 カイルも肩の力を抜き、微笑む。

 「俺たち、やっぱりチームだな」


 診療所の窓から、街の景色を見渡す。

 戦いの跡はほとんどなく、日常は変わらずに続いているように見える。

 でも、私たちの胸には確かに傷と覚悟が刻まれていた。


 リオがそっと呟く。

 「これで終わりじゃない……でも、俺たちなら乗り越えられる」

 その言葉に、みんなが小さく頷く。


 蝋燭の光が揺れ、影が壁に映る。

 昨日の密談、今日の戦い――すべての想いが影に重なり、仲間たちの絆を映していた。


 胸の奥に、じんわりと暖かい感情が広がる。

 ——怖くても、不安でも、私たちは一緒。

 それだけで、どんな嵐も乗り越えられる気がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ