余韻の刻
戦いが終わり、街は静けさを取り戻した。
夕陽が建物の影を長く伸ばし、赤く染める中、私たちは診療所の中で互いの安否を確かめていた。
ガイルは肩で息をしながらも、微笑みを浮かべる。
「……ふぅ、なんとか無事か」
「ええ、みんな無事で良かった」
リオが安心した表情で頷き、私の肩に手を置く。
セリナは小さく震えながらも、仲間たちに目を向ける。
「怖かった……でも、みんなと一緒だったから耐えられた」
涙がこぼれそうになり、リリアはそっと彼女の手を握った。
「ありがとう、セリナ。あなたがいてくれて本当に助かった」
カイルも肩の力を抜き、微笑む。
「俺たち、やっぱりチームだな」
診療所の窓から、街の景色を見渡す。
戦いの跡はほとんどなく、日常は変わらずに続いているように見える。
でも、私たちの胸には確かに傷と覚悟が刻まれていた。
リオがそっと呟く。
「これで終わりじゃない……でも、俺たちなら乗り越えられる」
その言葉に、みんなが小さく頷く。
蝋燭の光が揺れ、影が壁に映る。
昨日の密談、今日の戦い――すべての想いが影に重なり、仲間たちの絆を映していた。
胸の奥に、じんわりと暖かい感情が広がる。
——怖くても、不安でも、私たちは一緒。
それだけで、どんな嵐も乗り越えられる気がした。