光と影の狭間で、仲間と共に
朝日の光が差し込む診療所。静寂は束の間、ギルドの大群が城門を越え、町へ侵入してきた。
リリアは手を握り、目を閉じて深呼吸する。
――仲間を守るため、命を削っても戦う覚悟。
「リリア、行くぞ!」カイルが剣を構える。
「私も……!」セリナは弓を引き絞り、敵の影を正確に捉える。
クロードは静かに前に出て、リリアの後ろを守る。
敵の攻撃が一斉に襲いかかる。
リリアは手をかざすと、眩い光が広がり、攻撃を弾き返す。
しかしその光の代償として、胸の奥で痛みが走る。
カイルが叫ぶ。
「俺たちがいる!絶対に守る!」
セリナも叫ぶ。
「みんな、絶対に離れない!」
リリアは光を集中させ、戦場の中心で輝く。
傷ついた仲間も瞬時に回復し、力を取り戻す。
光の中で、仲間たちの笑顔が一瞬でも彼女を支え、勇気を与える。
幹部の黒マントが近づく。
「お前の力は我々のものだ!」
リリアは振り返らず、力強く答える。
「渡さない!私の大切なものは、誰にも渡さない!」
その声に、仲間たちの眼差しが一層強くなる。
全員が一体となり、光と剣、矢が交錯する戦いの渦に飛び込む。
リリアの光は、仲間の力と共鳴し、まばゆい閃光となる。
ギルドの兵たちは後退を余儀なくされ、幹部も驚愕の表情。
その瞬間、リリアは胸の奥で小さくつぶやく。
――みんなのためなら、どんな代償も恐れない。
戦いの最中、ふと視線がクロードと交わる。
お互いの目に、言葉はいらない想いが宿る。
――守る、守られる、信頼、絆、そして小さな恋心。
鼓動が戦場の喧騒の中で、二人だけの世界を作り出していた。
光が沈むとき、ギルドの軍勢は完全に撤退した。
息を切らしながらも、仲間たちは互いに支え合う。
リリアは膝に手をつき、微笑む。
――この勝利は、私たち全員の力だ。
空に昇る朝日が、彼女たちを優しく照らす。
傷も痛みも、代償も、すべて背負ってなお、彼女は前を向く。
――この世界を、仲間を、守り抜くために。