表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/60

不思議な魔術と医療の差

リオンの傷が落ち着いた翌朝、明日香は村の小さな診療所を訪れた。

 そこには、彼女が知る「看護」とは少し違う光景が広がっていた。


 魔法陣が床に描かれ、呪文を唱えながら傷を癒す医者たち。

 薬草を混ぜたスープを飲ませるだけで、子どもの熱は下がるという。


「……これが、異世界の医療……」

 明日香は息を飲む。便利だけれど、何かが足りない。

 手際は良いが、患者の痛みや不安に寄り添う時間は少ないように見えた。


 小さな女の子が泣きながら来院する。

 彼女の手を握る魔法医師の指は冷たく、心配そうな表情もない。

 明日香はそっと膝をつき、女の子の目を覗き込んだ。


「大丈夫、怖くないよ。私がそばにいるから」

 現代での経験が体に染みついている。

 女の子は涙を止め、少しだけ安心した表情を浮かべた。


 そのとき、魔法医師が明日香に目を留めた。

「……お前、普通の手で治療してるのか?」

「はい。でも、痛がる人には寄り添わないと……」

 答えながら、明日香は自分の使命を再確認する。


 魔法は確かに便利だ。

 でも、患者の気持ちを理解し、手で触れて寄り添うこと――それが、現代の看護の力だ。


 明日香は決めた。

「ここでも、絶対に人を救う――現代の知識と心で」


 その瞬間、村の遠くから悲鳴が聞こえた。

 新たな試練が、彼女を待っている――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ