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新たな医療チーム
国王の命により、ユイは王都で医療改革のためのチームを組むことになった。
メンバーは、薬師、僧侶、兵士、そして冒険者リオン。
最初はお互いにぎこちない。
薬師は「薬はこれしかない」と頑固に言い、僧侶は「神の加護が一番」と譲らない。
ユイは深呼吸して言った。
「違うんです。神様も薬も大事。でも、清潔にして病気を防ぐこと、観察して早く対処することも、命を救う力なんです」
最初は反発もあったが、ユイは村で使った方法を実際に示してみせた。
患者を隔離し、布を煮沸して清潔を保つ。簡単な手当で回復する人々。
「……なるほど」
薬師の顔に驚きと納得の色が広がる。
僧侶も静かに頷いた。
「君の言うことには説得力がある」
ユイの知識は、異世界で少しずつ信頼を勝ち取っていった。
チームはようやく形になり、王都だけでなく地方への派遣も視野に入る。
ユイの目は遠くの地平線を見据えていた。
(まだまだ、守るべき命はたくさんある……!)