ウーサー=キングスはさらなる成長を目指す
『うさキング』
それは歴史上、初めて確認されたレアギフトである。
そしてその使い方を誰に教えられずとも理解できたのはまさに神様から与えられたギフトならではであった。
まず本を呼び出します。
続いて本を開き、こう唱えます。
「……召喚」
するとポコンと煙が出て来て、うさぎさんが出てくるのです。以上。
そして本には勝手にこう綴られた。
『うさぎ(ノーマル)』
なるほどこちらは呼び出したウサギさんを記録できるようだった。
ページの項目に0/10とあるのが気になるが、とても分かりやすい。
しかしこのうさぎさん、ノーマルというわりに普通のウサギとは明らかに違っていた。
まずかわいい。
とにかくかわいい。
本来の兎をさらにかわいい方にキャラ化したような印象の見た目は、そのままぬいぐるみに出来そうだ。
よく見ると五本指で赤ちゃんのような手に肉球が。
野生の兎とは比べ物にならないほどモフモフの毛。
そしてトレードマークの長い耳は当然だが、至高のワンポイントだった。
「……」
とてもかわいい。
まさにかわいいの具現である。
そしてギフトとは使えば使うほどにその力を増してゆくのが一般的である。
ならばボクのやることはたった一つだった。
「召喚……召喚……召喚……召喚……召喚」
ホラ沢山のウサギが一瞬で部屋に溢れて、ものすごくかわいい。
これならいくらでも行けそうだ。
「召喚……召喚……召喚……召喚……あっ」
数字が10/10を超えた瞬間、全身から力が抜ける。
パタリ。
ボクは力尽きた。
いくらでもは言い過ぎだった。あの数字は現在の限界値だったようだ。
最期に朦朧とする意識の中本を確認すると、本の数字が10/11と増えている。
沢山召喚することでギフトが成長するという感覚も間違ってはいなかったようで大変満足いく検証だった。
ついついにんまりと微笑むボクにはこれからもっと数が増やせるという確信があった。
「ウーサー様お食事の……ウーサー様!? というかうさぎがいっぱい!?」
「……」
侍女の悲鳴が聞こえたがボクの意識はゆっくりと心地よい疲れに溶けて消えた。
ちなみに、ボクが気絶しても呼び出したウサギさんは消えなかったようだ。
目を覚ますとウサギさんに囲まれている光景は最高に至福だと、人生の喜びを嚙みしめる。
ウーサー=キングス最高に幸せな寝起きの一時であった。