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ウーサー=キングスと黄金のニンジン

「……これは」


 ウサギさんには無限の可能性がある。


 そんな当たり前の学びは、ボクに新たなる挑戦の道を歩ませる。


 巣穴アタックがそうであったように、倫理観の境界もまた、ウサギさん達のポテンシャルを狭めているとしたなら由々しき事態だった。


 そこで閃いた、これ。


 沢山のウサギさん達のフワフワフォルムをぎゅっとまとめて、ベッドにしてみた。


「……」


 うん、気の毒!


 フワフワの毛皮の上で寝るのはロマンだが……ひしめいていてはダメだ。


 もしもこの先、ボクよりでっかいウサギさんを召喚できるようになったならこの案は再検討するとしよう。


 では次。


 パラパラとボクはうさキングの書を眺める。


 どうやらボクは昨日の戦闘でギフトを成長させたらしく、本には新たなページが増えていた。


 やっぱり戦いというものはよりギフトを成長させるのかもしれない。


 積極的に使いたくない手段だが、この先行き詰まりを感じたら検討してみるとしよう。


 しかし今はそれよりも新たに追加されたページだった。


「……うさショップ?」


 一体なにごとかと、うさショップの項目を読み進めるとどうやら何かを買えるようだ。


 ウサギさん達に道具を持たせた影響だろうか?


 色々なものを買うことが出来るようだ。


「……これは。やりがいがある」


 購入する対価はうさポイント。


 これはウサギさん達の貢献度がポイントになったもののようだ。


 神様はボクらの行いを見ていてくれているのだなと、嬉しくなってくる仕様である。


 今もモリモリポイントは増えているから、試しに何か買ってみようか?


 基本的にウサギさんの今までの活動を基に内容は決められているようで、ウサギカフェの製品や、ウサギが装備可能な武器防具などが売られているらしい。


 アレンジも入っていて、武器や防具は小さくかわいらしいところを見ると神の御業のようだった。


 そして項目を一つ一つ見ていったボクはあるモノに目にとめ、なんだこれと首を傾げた。


「……ゴールドニンジン?」


 食べるのかな? ニンジンを?


 試しにポイントを消費して買ってみると、黄金色のニンジンが本から飛び出した。


「……これを、食べる?」


 金色という以外は、まぁニンジンである。


 ちょっと自分で食べるのが怖いなと思っていると、部屋中のウサギさんたちがこちらを見ていた。


 一体これは?


 今までそんなに食べ物に興味を示さなかったウサギさん達がこの反応とは、実に興味深い。


「……食べたいの?」


 一応勘違いではないか、ウサギさんに直接尋ねてみると、丸っこい目がキラリンと輝いてコクコクと頷いていた。かわいい。


 どうやらこれは、ウサギさん達が食べられるニンジンの様だ。


 しかしボクの考えは少々脇にそれた。


 黄金のニンジンが好きということは、本物のニンジンはどうなのだろうか?と。


 ウサギさんは食事を食べることはできる。しかし命令して食べさせることと、好んで食べる事には天と地ほどの違いがあると思う。


 見た目の形は、色以外は普通のニンジンと同じである。


 余りにベタ過ぎて、意識して試していなかった自分を殴りたいところだった。


「……生ものでも大丈夫なら。貴重なポイントを使わなくてもごちそうできるかも?」


 ある意味でそれは、ゴールドニンジンの効能よりも重大な発見のような気がしている。


 ギフト「うさキング」はまだまだ解き明かすべき秘密が多いらしい。


 ウーサー=キングス、己の不明を深く恥じ入る、ニンジン大量入荷待ったなしの前日の事である。


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[一言] うさチュールもおねしゃす
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