ウーサー=キングスはギフトを貰う
人生でやるべきことを見いだす。
それは大変なことであるとボクは思う。
ボクの名はウーサー。
ウーサー=キングス。
ちなみに王族でもなければ貴族でもなく、商家の三男である。大事な事なので覚えておいてほしい。
この世界では10歳の誕生日、全ての子供は教会で行われる神託によってギフトという特殊能力を与えられる。
ボクもまた祭壇の女神像の前で祈り、神託を受けた一人だった。
あの日、跪いた場所で見上げたステンドグラスからは降り注ぐ光が女神像を照らしていた。
そして床に届きそうなほど白いひげを伸ばした神官のおじいさんが今でも忘れられない。
両手を大きく開いたおじいさんは祈りを捧げ、ボクの顔を見ると一瞬だけ言葉に詰まり―――それでも己の仕事を全うした。
「ウーサー=キングスにギフトが与えられました……そのギフトの名は―――」
「うさキングである!」
「……え?」
「え?」
ボクと神官さんが見つめあう。
その瞬間、僕の体が光り輝き、一冊の本が飛び出した。
本の輝きはまさに神の光。
ボクはそれが神様から送り届けられた祝福なのだとすぐに理解した。
人生でやるべきことを見いだす。
それは大変なことであるとボクは思う。
しかしボクという人間はその点でいえば幸運だった―――なにせ神様によって進むべき道を示されたのだから。
この日この時、ボクのギフトは決定した。
ただ神様? ひょっとしてこのギフト名、ボクの名前に因んでますか? そこのところはどうかそのうち教えてくれると愉快です。
両親にギフトのことを伝えると、パパンとママンはボクの肩を叩いた。
「ギフトがもらえるなんてすごいことだよん?」
「そうね。初めて聞くギフトだけどとてもかわいいわね~」
「はい……とても良いギフトです!」
ボクはためらいなくそう言い切った。なにせボクはウサギが大好きなのだから。
ウーサー=キングス、記念すべき始まりの一ページである。