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「麦と向日葵」(Wheat and Sunflower):麦穂×日向

#記念日にショートショートをNo.8『ラブ・ストーリーは永久に』(Love Story goes on forever)

作者: しおね ゆこ

2019年4月29日(月)昭和の日 公開

【URL】

▶︎(https://ncode.syosetu.com/n6960ic/)

▶︎(https://note.com/amioritumugi/n/ne92751be5560)

【関連作品】

「麦と向日葵」シリーズ

 「日向に、告白しようと思うの」

麦穂が頬を赤らめながら言った。今日は2018年4月22日の日曜日だ。麦穂が日向のことを好きなのは知っていたから、別段驚くことはせず、「いいじゃん。頑張れ!」と笑顔で応援する。「うん、頑張る。」と麦穂が照れたように頷く。


 普段内気で消極的で滅多に外出などしない、麦穂からのLINEが来たのは、昨日の夜だった。話したいことがあるから明日のお昼頃に「Morning Tea」で会えないか、という内容だった。「Morning Tea」は、駅前に店を構える、清潔感があり女性に人気のおしゃれなカフェだ。私は特段用事も無かったし、恋バナにはとても興味があるので、快く了承のLINEを返した。


 「…私、日向のことが好きじゃん?」

食事を摂る合間を縫って、麦穂が口を開く。「日向、優しいからね」私が言うと、麦穂が赤らんだ頬を手で隠すように顔を覆い、「優しすぎるの…」と小さな声で言う。「優しくて、賢くて、話してて楽しくて……」麦穂の恋心に耳を傾けながら、なるほど、恋とはこういう感じなのかと納得する。私もこういう恋がしたかったなあ、と、息の下でこっそりため息をついた。


 次の日の晩、麦穂から電話があった。日向からOKを貰えたらしく、スマホ越しの麦穂の声は、嬉しそうだった。「おめでとう」と祝福して、通話を終える。スマホをベッドに投げ、身体をごろんとベッドに預ける。実る恋っていいなあ…と思いながら、掛け布団を抱きしめる。どんなに努力しても、どんなに好きでいても、どんなにあなたのことを考えていても、この恋は実らないことを知っているから。18年間もずっと好きでいるのに。あなたのことが好きだなんて、お母さんに生まれ変わらないと言えない。写真のお父さんは、少し困ったように笑っていた。

【登場人物】

○私:語り手

○城出 麦穂(じょうで むぎほ/Mugiho Joude)


*名前のみ登場

●日向 葵(ひなた あおい/Aoi Hinata)

【バックグラウンドイメージ】

【補足】

【原案誕生時期】

公開時

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