魔法との出会い
久しぶりに来た街の様子は、子供の頃とは打って変わっていた。
この街では今日、人形展とやらをやっているらしい。
「綺麗な人形…。動きが滑らかね…どう動いてるのかな?」
金髪の巻いた髪に青い目で、漆黒のドレスに身を包んだからくり人形。
「?魔力を感じる…これ、魔法…!?何で…?」
アリアの吃驚した声。
「えっ?魔法って100年以上前に消滅したはずじゃ?」
「そのはず、だよね…」
その時、あからさまに怪しげな老人がこちらへやって来た。
「その人形はのう、200年前に作られて魔法で動いていたんじゃよ…いや、確かに今も魔法で動いておるが…」
?????話に追いつけない。今も『魔法で』動いている…?
「あの、今も魔法で動いているってどういう…?」
「お主ら、知らんのかえ?」
「あ、はい、小さな村に住んでいるもので…」
「『魔法』は100年以上前に滅んだ。それは知っておるじゃろう?」
「はい」
「…最近また復活したのじゃよ」
「え?」
「厳密に言えば、『魔法』に近い『科学』じゃ。『魔法』は人間を媒介にして、『マナ』(『魔法』の元じゃな)を各属性の物質に変換することを言う。一方、『科学』の『魔法』は『道具』を媒介にする。じゃから、どんな人でも限りなく『魔法』に近い『科学』が使えるんじゃな。まぁ、その『道具』がとんでもなく良い値段をしとるから中々広まらないのじゃ!フォフォフォ!!」
「あの、なんで魔法は消滅したんですか?」
「さあ、それはわしにも分からんよ。」
「…ありがとうございました」
と、耳のの潰れる様な轟音が街の人々を襲う。寒気すらしてくる。
「何だ!?」
「ラント、あっち!」
アリアの指差す方向には小さな魔物の群れ。周りには先程までとても楽しい気分だったであろう親子。親の方は怯えた顔で泣き叫ぶ子供を抱えながらこちらへ走ってくる。
「あっ……」
「アリア!?」
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親の方は怯えた顔で泣き叫ぶ子供を抱えながらこちらへ走ってくる。まるで去年のお母さんと私の様。
「あっ……」
「……!?」
ラント、何て言ったのかな?聞こえないや。
まだ私は無力。救えない。どんどん重なる。去年の惨状。何人犠牲になった?お母さんはドジな私を守る為だけに死んだ。
「あああああああああぁあぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああぁぁあぁぁああぁぁぁ…」
「…ァ!!」
「あああああぁぁぁぁあぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「…リア!!」
「ふふ、ふふふふふふふふ…」
「アリア!!」
またちょっとガバガバになりつつあるような…?