美少年の告白
「杉浦君…心にもないこと言っちゃって、もう……。」
「だって!!あいつが無神経すぎるんだよっ!!」
俺の恋心は……パートさんたちにはバレバレだったんだよ!!本人には一ミリも伝わってなかったけどさあ!!
「冬木は強敵だぞ、あれははっきりと告白しないとダメだな。」
「いや…告白したところで、気付かないパターンなんじゃ?」
「なにそれ!そこまでじゃないでしょ…さすがに…たぶん…。」
「もう駐車場で襲っちまえよ…。」
「…ばっ!!男が、そんなこと…できっかよ!!!…ああ~、もう…ッ!!!」
頭を抱えた俺は…苛立つ心を押さえきることが、できなかった。パートさんたちの言葉を真に受けて、その日の帰り、突撃しちまった。
「おい!!やよい!!ちょっとこっちに……こい!!」
告白なんざ、初の試みだ。俺は柄にもなく、緊張してさ!!ガッチガチになりながら、やよいを睨み付けたのに!!
「うん?なにー?告白でもすんの?!」
「ッ!!!そうだよ!!今からお前に告白してやる!!俺はお前が好きなんだよ!!付き合え!!」
完全に出ばなをくじかれ、駐車場にいた岸部さんに、気の毒そうな視線を向けられっ!!!!!!!
「ええーマジで!!考えとくわー!じゃあね!乙!!」
「って、ちょ、おい!!何それ!!おま、…待てよ!!!」
普段と変わらない、乱暴な運転で車を発車させた……俺の想い人っ!!!
何これ、告白って、こんなん?……ありえねえー!!!
……でも、もしかしたら。一晩真剣に考えてくれているかも、でもって、明日からは…、そんなことを思った俺は、頭の中が、いっぱいになっちまってだな!!ゲームの中で、花束やらケーキやら、大量にプレゼントをしてみたりだな!!
眠れない夜を過ごして、次の日倉庫に顔を出したってのに!!!
「おはー!プレゼントサンキュー!今日の荷物さあ、細かいのヤバいんだよね!あんたバラマキ入ってね!!」
俺の真剣な告白を聞いて、この返し?!ゲームの中だけど、アイラブユーのメッセージ付きテディベア送ったのに、この温度感?!……有り得ねえ、何だ…こいつは!!心底呆れかえった俺だったが、まだまだ考えが甘かったのだ!!
「聞いてよイケメン!私モテモテなんだよ!!みんなが好きって言ってくれてるんだ、ついに杉浦君までゲットしたよー!あとはイケメンだけ!!ねね、早くあたしのこと好きって言ってみ!」
「ッ…!!だから、そういう事をっ……!!」
昼飯の時に、信じられない暴走をしやがった!!!俺の告白を…またしても、ダシに使われたんだよ!!!
「なに、杉浦君…ついに告白するって言ってたけど、失敗したの……?」
「ちげーよ!!!こいつ…全然分かってねえ……つか、マジで何なの?!」
俺は本気で頭を抱えたね!もう…どうやってやよいを落としたらいいのか、わかんねー!!!
「あのね…ぼそ、ぼそ……!!」
「冬木はお子様だからなあ…杉浦君、こりゃ前途多難だぞ……。」
「ひどい佐木さん!!25歳のイケ女捕まえておこちゃま発言はおやめっ!!!」
はしゃぐやよいの前で、木偶の棒が!!俺に気の毒そうな目を…向けやがってさあ!!!




