ベオウルフと混沌のデーモン
伝説のドラゴンを倒した勇者ベオウルフは、ドラゴンの財宝の力で王となる。
だが、数年後、呪いにより記憶を失ってしまう。
記憶をなくしたベオウルフは、足を滑らせ氷河の中に落ち氷漬けとなった。
そして、数十年の時が流れた。
デネ(デンマーク)王国はフロースガール王により統制されていた。
フロースガール王は伝説の竜を倒した勇者ベオウルフの子孫だった。
ある日、高齢だった王に息子が誕生した。
なかば諦めかけていたときの世継ぎの誕生に王は喜び、何日も宴が続けられた。
しかし、そんな華やかなムードに苛立つ者がいた。巨人のグレンデルだ。
グレンデルは醜く、人前に現れることを嫌っていた。
だが毎晩の騒ぎに耐えきれなくなり、夜中に宮殿に潜り込み人々を殺していく。
毎晩死者がでるヘオット宮殿は、いつしか呪いの宮殿と呼ばれるようになった。
王は警備を強化したが、警備兵も殺され、ついに世継ぎである息子も殺されてしまう。
世継ぎを失った王は、グレンデルを倒したものに国を譲ると宣言する。
そんな王の前に一人の男が現れる。
この呪われた王国デネの話を聞き付けて、イェータランド(スウェーデン南部)からやって来た男だ。
名前は、ハーマン
ハーマンは最近頭角を出してきたバイキングだった。
数名の部下を引き連れて、グレンデルを待ち構える。
ハーマンはグレンデルとの死闘を繰り広げ、グレンデルの腕を切り落とす。
グレンデルは住みかの沼地に逃げ込む。
あとを追いかけたハーマンは、その沼地でグレンデルの母親のデーモンに遭遇する。
母親デーモンはなぜかハーマンの事を知っていた。
グレンデルよりも格段に強いデーモンに追い詰められるハーマンだったが、
戦いの中で、自分がベオウルフだった事を思い出す。
母親デーモンとベオウルフは伝説のドラゴンを倒したときに出会っていた。
そして、このデーモンにより記憶を消されていたのだ。
ベオウルフの力を取り戻したハーマンはデーモンを退け、
グレンデルの首をもって、デネ王国に帰還。
フロースガール王:おまえがベオウルフだと?ベオウルフはワシの爺さんの名じゃぞ。
ベオウルフ:いかにも、長い間、氷漬けにされていたのだ。
首を横に振りながら、なんとも馬鹿げた話と思ったフロースガール王だったが、
グレンデルを倒した事に満足した王は、ベオウルフに王冠を渡したあと、足を滑らせ崖から転落死する。
再び王となったベオウルフは、デーモンの行方を調べ始める。
デーモンを倒さなければ、また新たなモンスターが作り出されるからだ。
しかし、デーモンを見つけることは出来なかった。
時が流れ、年をとったベオウルフの前にモンスターの軍団が襲いかかる。
母親デーモンがモンスターたちを引き連れて帰ってきたのだ。
デネ王国の人々はモンスターたちと戦い、年老いたベオウルフは母親デーモンと一騎打ちをする。
母親デーモンを辛うじて倒したベオウルフだったが、デーモンから受けた傷がもとで息を引き取った。