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ソシャゲのコマーシャルも多くなりましたよね。中々内容が過激なようで…

いつも読んで頂きありがとうございます。

 森の中に向かう俺とミーアだが、どうやらミーアは俺のサポートキャラとなった時にかなり戦闘能力を削っていたようだ。


「私としましてはジルア様のおそばに置いていただく事を重視しましたので、戦闘力よりも家事全般の方が大切でしたから……戦闘に関してのスキルは、残りの力を回した程度です」


 嬉しそうに答えるミーアだが、乗馬中に俺の腰に回した手を色々動かすのは勘弁して欲しい……戦闘力もないし、このまま捨てていこうか?


「……さて、真剣にこの子の巣を探しますか。私索敵には自信がありますので先行しますね」


 俺の考えを読んだのか、ジルアの腰から手を離すと無影の背からミーアの気配が消えていく……




 ミーアがいなくなってから、俺は懐の中の青い毛玉に確認を取りながらフェンリルの親がいた巣へと向かう。


 所々で魔物の気配はするのだが、何故かこちらに近づいて来ない。


「何で魔物は寄ってこないのかな? 」


 俺の無意識の呟きに懐の中の毛玉から意外な言葉が掛けられてくる。


 《ぼくのけはいをかんじているから、よわいこはちかよらないよ》


 ……ドヤ顔のような雰囲気で俺に教えてくれる青い毛玉だが、こんなちっこいのでも流石はフェンリルということか。


 それでも襲い掛かってくる大きな熊のような魔物もいるが、俺の持つ聖剣が手応えすら感じさせない鋭さで、出てくると同時に死体にしてしまう。




 ミーアと別れて2時間程経った時、突然前方から大きな魔力の揺らぎと全てを凍りつかせるような咆哮がこちらに向けて放たれる ⁈


「いきなり激しいお出迎えだな! 」


 俺は聖剣で魔力の載せられた咆哮を叩き斬るように振り払う。


 俺の乗る無影の前方から左右に分かれるように、切り裂かれた咆哮が全てを凍らせていく。


 《ままのこえだ! 》


 嬉しそうに「ヒャンヒャン」と俺の懐で吠える毛玉とは別に、俺は強大なプレッシャーを向けられて無影共々、動けなくなる……これがフェンリルの威圧なのか ⁈




「私の主人に敵意を向けるとは……この駄犬め! 」


 咆哮が飛んで来た方角からミーアの声が聞こえてくる。


 どうやら俺が動けない状態が分かったようで、咆哮を放った相手と交戦を始めたようだ。


 音と衝撃しか今の俺には感じ取れないが、双方かなり拮抗しているようで大きな音と衝撃が辺りの木々をなぎ倒している。


 《かあさん。うれしそう》


 懐の中の毛玉が尻尾を俺の胸の中でブンブン振り回すので、かなりくすぐったい 。


「こらこら、そんなに暴れちゃ私が動けないよ! ちょっと動かないで」


 《はんせい。じしゅくする》




 ……中々難しい言葉を使うな。


 俺は周りの被害も考えて、母親フェンリルとミーアの戦いを止める事を決意する。




「フェンリルのお母さんとミーア! そこまでにして!お母さん、お子さんを連れて来たからここまで会いに来て」


「駄目ですご主人様! 今の貴女では『そいつ』に直接 会うことは危険過ぎます! 」




 俺が2人に呼びかけた瞬間、ミーアから俺に対して警告が飛んで来る。


 それまでは何が危険なのか俺にはさっぱり分からなかったのだが、目の前に母親フェンリルが音も無く現れた瞬間ミーアの言ったことが嫌という程分かってしまった……






 青というよりも碧といった感じの緑掛かった深い色の毛の色をした体長10m近い大きな狼の姿をした『何か』が俺の姿を目に捉えた時、俺は全身が震え出し五感全てが途絶えてしまう。


 恐らくは漏らしているはずの感覚すら今の俺には何も感じられず、視線すら何も捉えていない。




 《汝が我が子を誑かした者か? 中々強力な使い魔を持つようだが、その力もこの世界では使えぬようだし残念ながら汝の命もここまでだ》




 母親フェンリルの念話が俺の魂に直接語りかけてくるが、俺は何も考える事すら出来ずただ言われるがままだ……そうか、俺はここで死ぬのか。




「巫山戯るなよ下郎! 我が主人に手を出してみろ! 我が魂を捨てでもこの世界を消滅させてやる! 」


 あれほど優しげで小悪魔的な話し方しかした事のないミーアが信じられない程の怨念を感じさせる言葉使いで母親フェンリルに対して叫んでいるが、正直ミーアにそこまで好かれているとは思わなかった俺は感動して、傷ついて欲しくないと心から思ってしまう……俺だけの命で済むのなら……


 《かあさんダメ! このこぼくにとってはたいせつなひと。かあさんでもゆるさない!》


 突如俺の五感が戻ると同時に、懐から飛び出した青い毛玉は青い炎に包まれると、3m程の大きさの巨狼へと姿を変える!


 青い炎は熱さを感じさせず……寧ろ冷たさを感じさせる。


 海の色のような長い毛を青い炎で靡かせ、目の前の母親フェンリルの前に俺を庇うように立ち塞がり牙を剥く姿は多少小さくとも確かにフェンリルの風格さを漂わせている……




 《我が子よ……その者はこの世界において異端なるものぞ? その者に関われば、汝さえ世界の敵と成りかねぬのだぞ?》


 《ぼくは、ぼくのいしでたすける! このこはやさしいこ。よわいこをみすてれない、じゅんすいなこころのもちぬし。ぼくはこのこがすき! 》


 ミーアにしてもこの子にしても、どうしてこんなに俺を思ってくれるのか分からない。


 だけどここまで思われているのなら、俺が何かしないと俺が俺でいる為にも示しがつかない!


「母親フェンリルよ! 私は貴女に殺される訳にはいかない! この子達が私を大切に思ってくれている以上、貴女を倒してでも私は生き延びてみせる」


 未だ震える体を叱咤し、合わせたくない目を無理矢理母親フェンリル合わせて俺は彼女に宣言する。






 こうして森の主人との初めての邂逅は始まったのだった。












次回配信は金曜日となります。

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