新たな課金キャラが増える時、それは大金が動き出す時でもあるのです
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セシルの答えに考えることが出来なくなる…俺のこの世界の適応力は低すぎるんじゃないかな。
「言い方が悪かったですね。精霊は妖精達の僕ですから、上位妖精を従えるジルアちゃんには必要の無い事なのですよ。試しに、光の精霊を呼んでみてください。多分勝手にジルアちゃんの言う事を聞いてくれますよ? 」
とんでも無い事を言うセシルの話を試してみるべく、半信半疑で呼びかけてみる。
「光の精霊さん?この部屋にいるなら少しだけテンカさんを照らしてくれる? 」
俺がお願いをするや否や、テンカの頭上に光が集まり凄い勢いでテンカの頭が光り輝く!
「ちょ ⁈ お前何しやがる? 」
「「「「「ぶっっっ!」」」」」
予想以上のテンカの頭の明るさに、吹いてしまう女性陣…これはひどい。
慌てて俺は精霊達に頼み込んで、テンカの頭から明かりを消すのだった。
「全く酷い目にあった…取り敢えずジルアには銀クラスの冒険者証を、シロとセシルは鉄クラスの冒険者証を渡すから後で受付まで行け。それと…前回の大氾濫でお前らが倒した魔物の魔石の代金だ。少し、少ないかもしれんが勘弁してくれ」
そう言って自分の机から大きな袋を取り出すテンカ…かなり重そうなんだが。
「キングとメイジは魔石しか残ってなかったから、全部で金貨500枚だ」
え? ……流石に想像以上の金額を聞いた俺は脳内がフリーズしてしまう。
隣のシロに目を向けると、白目を剥いて気絶している。
「どうした? 別にぼったくってはいないぞ? キングの魔石が金貨200枚、メイジが金貨100枚、通常ゴブリンの魔石が5000個で金貨50枚、ジャイゴブという新種のゴブリンの魔石と素材で金貨150枚だ。特に新種の素材としての価値が高かったからな」
そう言って渡された金貨を、俺は全部テンカに返す。
「ん? どういう事だ。俺に渡されても意味がわからんぞ? 」
訝しげにこちらを見るテンカに俺は俯いたまま、ポツリと呟く。
「冒険者で死んだのは何人?」
このギルドに入った時に、何度も見ていた冒険者の顔が少しだが少なくなっている事に俺は気付いていた。
だけど、怖くて最初は聞けなかった…マロンさんに抱きしめられた時、俺はこのギルドの中にはもういない事を、何故か確信してしまった……
「20名ほど命を失った…重症もいるが、そちらは伯爵が何とかしてくれるらしい。騎士や、傭兵にも被害は出ているんだ。お前が気にする事じゃない」
「気にするよ! 私を始めて優しく迎え入れてくれた人達だったんだよ ⁈ 気にしない方がおかしいよ! 」
涙の止まらない目で、優しい顔をしているテンカに俺は叫ぶ!
この世界で初めてこの冒険者ギルドに来た時は、ちびりそうになるくらい恐ろしかった。
そんな臆病な俺を、ガラの悪い冒険者達は当たり前のように受け入れてくれた。
俺の最初の冒険の時もマロンさんは優しく指導してくれたし、影から守ってくれた人達もいた。
フィリさんの家でお世話になった時も、死に掛けながらも戦い抜き俺が気付く時間を作ってくれた。
そんな人達が死んでしまったというのに、俺は世間体が怖くて森に逃げ込んだ!
「お金じゃ解決しない事があるなんて分かっている! でも、死んだ人達のお墓に何かお供え物をしたり、無くなった冒険者の遺族がいるならこのお金で助けてあげて! それでも余るなら、みんなでお酒でも飲んで死んだ人達の事を笑って送ってあげて」
最後は泣き笑いになりながらも、俺は最後まで言い切りテンカの返答を待つ。
「分かったよ。この金は大事に使わせてもらう……どうせ外で聞き耳立てている奴らも多いんだろ? ジルアからの弔い金だ! 遺族の事を知っている奴はギルドまで遺族を連れてきてくれ!お前らには俺から金を出してやるからとことん飲みやがれ! 」
「「「「「おうさ! 」」」」」
扉の向こうで冒険者達が叫び、走り出す音が聞こえる。
扉を開けると、涙を流す受付嬢や女性の冒険者達がこちらを見て微笑んでいる。
カスパルとクレアは無言のまま、優しく俺を撫でてくれた。
「ご主人、シロはご主人が自分の主人である事が誇らしく思います」
「ジルアちゃんは人情家ね。だから私も助けてもらえたんだしね」
シロとセシルが後ろで何か話しているが、俺はこの冒険者ギルドに来て本当に良かったと思いながらカスパルの毛皮に包まれて泣き続けていた…
あの後、冒険者証を発行してもらい、遺族の方々に見舞金をテンカから渡してもらったのだが、何故か俺が拝まれた。
そうして、亡くなった冒険者達のお墓参りをして冒険者全員で飲み会を始めた訳なのだが…お子様な俺は途中で帰る事になる。
シロも眠たそうだし、セシルもつかれているからね。
カルパスとクレアには、ここのお店の支払いを俺のアイテムの売ることで何とかしようとした所を止められた。
どうやら本当にテンカの支払いでしてしまうようだ。
「これは残りだ取っとけ! 」
とテンカに渡された袋には100枚程残っていたのだが、どうやら遺族に渡した分は本当に足りたらしい。
「この支払いぐらい、俺がしないと周りが収まらんよ」
そう言って、飲み始めたテンカは少しだけ格好良かった。
容赦無く飲み続けているフィリさん達、女性受付嬢と女冒険者達の方はまともに見る事は出来なかったが…
冒険者達もどうやらあの周辺には近寄らないようだ。
「それじゃ私達はここで」
セシルに馬車の御者を頼み、俺達は森の我が家に帰る事にする。
伯爵との約束もあるし、帰ってからみんなで話し合いたい事もある。
散々、俺とシロを弄んだ女性陣は名残惜しそうにこちらを見ていたが、カルパスの体を張ったディフェンスで、何とか馬車まで逃げてこれた。
「ジルアちゃ〜ん。帰っちゃいや〜」
「ジルアさん。今の内に早く!」
「嬢ちゃん、今日はありがとうな」
様々な声援を受けて俺達は東の森へ向かう。街の門の衛兵は、俺達が帰る時に敬礼をしてくれていた。
「ジルアちゃんは、この世界に本当に馴染んでいるのねぇ」
御者の席からセシルの声が聞こえるが、俺はシロの膝枕になっており動く事は出来ない…ちなみに毛玉は、向かいの席でぐっすりと寝ている。
「そうだね。この世界に来て色々あったけど、今はこの世界の事が好きだよ」
寝ているシロの寝顔が、少しだけ微笑んだような気がしたのはきっと気のせいだろう。
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