スマホの性能が上がった所為かゲームも複雑になってきたよね。余り複雑だとやる気が無くなるのは仕方ないよね?
これからも感想・評価・お気に入りをどしどし待っていますので宜しくお願いしますね。
消魔石が失われた今、ブヒルの勝ち目はほぼ無いだろう。
あるとすれば…
「そこのエルフ!それ以上魔法を使うな!さも無いと…あれを見やがれ!」
ブヒルの指差す方を見てみると500m程離れた所に後ろ手に縛られた女性と俺より少し大きな男の子と泣くのを我慢している女の子が三人の男に拘束されている姿が見える。
女性は拘束されているもののこちらをみる目はまだ希望を捨てていない強い母親の目だ。
男の子は怯えてはいるものの妹をしっかり抱きしめている。
女の子は目に涙を浮かべているが口を閉ざして我慢している…強い一家だな。
「分ったならさっさと魔法を解除しろ。あいつらがどうなってもいいのか?」
俺が人質達を見ているのを面白そうに見ていたブヒルはニヤついた笑みを浮かべながら俺に命令してくる。
俺は冷めた目でブヒルを見返し、つまらなそうに答える。
「あのさぁ…あの人達誰なのさ?」
俺の言葉に顎を落としそうになる程口を開けたまま絶句するブヒル。
「私はお前らに狙われたからここに来たんだ。見知らぬ人を連れてこられて人質だと言われてもな…それで何がしたいんだ?」
言葉を続ける程、青褪めるブヒル。
トリフ男爵の嫁と子供などエルフの俺には関係ない事に今更気づいたのだろう。
セシル相手なら通用するかも知れないが全く関係ない俺に言っても仕方無いじゃん。
「ま、待て!セシルお前からも人質の重要性を教えてやれ!こいつにお前の立場もちゃんと教えろ!」
「は〜ブヒル、これはお前がした事なんだぞ?エルフを攫うために森に人を送り、全滅したからって男爵の家族を盾に男爵にエルフを森から引きずり出すよう仕向けたのはお前だろ?
大体最初はフェンリルの子供を森で見かけたという情報を噂で聞いて、男爵に森の探索を冒険者に依頼させたのに、何でエルフのジルアを攫う事に変えたんだよ? 」
どうやら話を聞いていると俺が現れる前からあの青い毛玉は東の森にいたようだ。
その噂を聞いて危険な森に男爵からの依頼でカルパス達が森の捜索をしたのは分かった。
…そうなるとあの親子は最低でも一週間以上前から奴等に捕まっていたことになる。
「その人達をどうして攫ったのさ?男爵の家族を攫うなんて縛り首決定じゃない」
「それがな、王都から戻る途中にモンスターに襲われて逃げていた男爵の家族をこいつらが助けたのが始まりなんだ。
助けたと言ってもその後、男爵を強請る為に利用したから極刑間違い無しだな。俺達もそんな事があると知ったのは二、三日前の事で困っていた所なんだよ」
やれやれといった感じで説明するセシル。
…まぁこれで大体の事は分かった。
後は、何故俺が狙われたかと言う事だがそれはこいつらを捕まえてからでも遅くはないしな。
「結局話を聞いてもブヒルが極刑になる事と男爵が下手を打って盗賊に手を貸したという事しか分からなかったよ。それじゃこの茶番もお仕舞いだね」
俺はそう言うと左手を空に向けてあげる。
魔法が来ると勘違いした奴等はその場で伏せる。
そして、人質となっていた男爵の家族の背後から黒い巨馬が現れ、男爵の家族を拘束していた二人の頭を前蹴りで粉砕する!
『ブフォォォォォォン! 』
三人の内の最後の一人は鉄のトンファーを左頭部に貰い血を撒き散らして倒れていく。
「男爵の家族の安全を確保しました!ご主人」
シロの成功の叫びを聞いた俺は空中の水の矢を無慈悲にブヒル達に打ち込んでいく。
天から放たれた激流の矢は伏せていたブヒルの仲間達を一人一人と押し潰していく。
「あぁぁ…俺の仲間が…」
放心するブヒルに、地を這うように走り出し撃ち放った俺の初級剣術の(レイヴ)がブヒルの両足を膝の辺りから切断する。
「ぐぎゃゃゃゃぁぁあ ⁈ 」
突然の痛みと両足を失った事で地面に叩きつけられるような体勢になるブヒル。
俺はそのブヒルに(ヒール)を掛け、両足の切断部分を回復する。
ブヒルの胸に足を乗せ、人様には見せられないような表情でブヒルに優しく言ってやる。
「さて…ここからは俺の質問に答えるだけの簡単な仕事だ。このぐらいなら今のお前にも出来るだろ?分かったらちゃんとこたえるんだぞ」
俺の言葉に寝たままで縦に頭を思い切り振るブヒル、さて、尋問の始まりだ。
…そこでハァハァ言いながら見るのは止めてくれませんかねぇ?皆さん。
聞きたい事を聞き終えた俺はシロを呼ぶ。
足元に恍惚とした顔のブヒルがいるがそれどころではない。
「呼びましたか?ご主人」
シロは男爵の家族の面倒を見ていたようだ、シロの側には男爵の家族も一緒に来ている。
「先程は無礼な物言い申し訳ありませんでした」
俺は男爵夫人に頭を下げる。
作戦とはいえやってしまった立場であるので謝るのは当然だろう。
「構いませんよ。助けに来てくれた人に無礼だと言う口は持っていませんから」
男爵夫人は俺の謝罪を笑顔で受けてくれた。
どうやら男爵の家族はそれ程酷い扱いは受けていないようだった。
彼女によると、急にモンスターが王都帰りの男爵の馬車を襲撃したらしい。
「実はその襲撃は仕組まれていたものらしいのです」
俺の言葉に驚く夫人。
ブヒルの話だと知り合いからモンスターが男爵の家族を襲撃するからその家族を保護しろと言われたらしい。
その話通りに男爵の家族が襲撃を見て保護したそうだ。
他にもブヒルはその男からフェンリルの子供の情報や俺の事まで聞いて攫うように持ちかけられたようだ。
怪しい事この上ない知り合いだが、ブヒルはその男の名前も姿も覚えていないらしい。
俺が拷問をしながら尋問したから間違いないはずだ…またこの辺のスキルが上がってそうだなぁ。
「多分魅了、チャーム系の魔法だな。俺も掛けられたが多分レジストしたからブヒルに近寄ったみたいだな」
謎の男はセシルも会った記憶があるようだ、これからの俺達の生活に関わらなければ良いのだが…
「あ、あの…ありがとうございました。ジゼルさん」
男爵の長男が顔を真っ赤にして俺にお辞儀をしている。
恥ずかしいのだろう、こんな幼女に謝るのだから…俺は思わず頭を撫でながらほめてしまう。
「よく頑張ったね。お母さんと妹を必死に守っていたんだね。尊敬しちゃうよ」
俺の言葉にパッと目を輝かせこちらを見てくる少年。
エルフ幼女を尊敬しても良い事なんて無いぞ?
「あれが貴女のご主人の撫でぽなんだね…恐ろしい威力だ」
「何を言ってるかよく分かりませんが、うちのご主人は人を誑かすのが上手いのです。もうあれは天性と言っても良いでしょう」
…後ろの二人は黙っていようね?
男爵の女の子も頭を下げるが、俺の顔を珍しそうに見ている。
何かと思って近寄るといきなりほっぺにちゅーをされる…
「助けてくれたのはお姫様だったけどお礼はちゅーで良いよね?」
恥ずかしがらもお礼の気持ちだと言われる。
残念ながら王子様では無いので笑いながらちゅーを返してあげる。
「くそ…意識が跳び掛けた!」
「ご主人は本当にたらしであります」
「これは幼女同士のいい絵だ!」
「「「ありがとうございました!」」」
何が何だか分からないが俺達が笑いあっていたその瞬間、俺とスプリガンの契約が突然途切れた…
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