表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/34

エピソード7(信之助side)

「いきなりなんだろうな?」


「さぁ?でも緊急に私たちを集めたいって相当な事じゃない?」


「それにしても真央だけ呼ばないのはおかしくねぇか?」


「それもそうね・・・・まぁ、ここで話された内容がなんであれ後で伝えてあげれば良いことでしょう」


「ん、それもそうだな」


しかし、そんな言葉は謁見の間に辿り着いた途端に消えてしまった


なぜなら謁見の間には棺桶の中で白い花に包まれた真央の姿があったからだ


直感的に悟ってしまった


今、真央がどのような状態であるか


「まっ・・・・真央?」


「そんな・・・・」


「嘘だろ・・・・?」


小春、俺、竜太郎の順場に声をかけるが勿論返事をするものなどいない


優花に至っては声すらも出てこなかった


「・・・・・その者は勇敢に戦った」


ライト・サンアレドの言葉に俺達も顔をあげる


「昨夜遅くのことだ。剣で打ち合う音がすると見回りの兵士が世に伝えてきおった。我も最初は訓練かと思ったのじゃが、そんな夜更けに訓練などするはずがないと思い至りすぐさま兵を派遣したのじゃ・・・・・派遣した兵の話によれば満身創痍状態のこの者と獣人の男が切り結んで・・・いや、この者が一方的にやられておったそうじゃ」


俺達の顔が青ざめていく


「それを見た兵士たちは直ぐ様援助に入ったそうじゃが、それを見た獣人は直ぐ様この者に致命的な一撃を与えると『これ以上の任務遂行は難しいか・・・・まぁよい、目的の一部は達成した』と言って去っていったそうじゃ」


ライト・サンアレドの顔が苦痛に歪む


「そして・・・そのままこの者は『皆を守ってください』と兵士たちに懇願してそのまま・・・・」


「いやぁぁぁぁぁぁあ!」


優花が叫ぶ


その叫び声を聞いて竜太郎達も目尻に涙を浮かべた


それを見たライト・アレクサンドは一瞬口元を笑みで歪ませていたのだが、俯いていた俺達が気づくことはなかった


勿論この話は作り話であり、実際は全く異なった話となる


しかし、真央にとっての誤算がここにはいくつかあった


まず、一つ目に


この王様がしていた作り話である、他の皆を守るために、あえて一人で戦うということが実際に真央ならばやりそうなこと


二つ目に


信之助達が、真央の想像以上に王様を信じていたこと


しかし、これについては仕方がない


真央は元々この世界の知識をある程度持っていたために最初からおかしなことしか言っていないライトを疑っていたが、予備知識もなにもない状態の信之助達からすれば疑う点など一つもなかったからである


三つ目に、真央の部屋に入る前に王様によって真央の死という情報を与えられてしまったこと


それによって、4人が真央からの手紙に気づくのはかなり遅くなってしまう


そして、この日から勇者たちはしばらく落ち込み部屋に閉じ籠ることとなった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ