エピソード6
「それじゃあ今日はここまでにしてさっさと寝るか!」
お互いのスキルの話をしてすることもなくなった
いや、今の時点ではできることがなくなったといった方が正しいのかもしれない
なので、皆俺の部屋から出ていく
「はー・・・」
俺は一人になってからこれからやるべきことを考えた
正確に言えばどうやって一人で行動するかをだ
実力を隠している今なら「俺はお前らについていけそうな気がしないから自分のペースでいくことにする」とでも言えば・・・・・・・いや、あいつらなら「自分達が遅くなっても大丈夫だから」とかいって俺に合わせようとしてくる可能性が高いな
おそらくだが、いくら断っても諦めないだろう
「うーむ・・・・・どうしたものか・・・・」
一人でいないとおそらくいつかボロがでる
そして、皆に俺が魔王だったということも気づかれて王にもその事がばれるだろう
それでも皆は友達でいてくれるのか・・・・・・いや、そんなこと考える必要すらないな
あいつらが俺との友達をやめるとか考えられない
それに、この世界がもしも俺が死んでから数年と言わないまでも、俺が転生してからの年数しかたっていないならば、この世界での仲間たちを探したいのだ
死んでるかもしれないし、会えるかどうかもわからないが・・・・それでも探して謝らなければいけない
あの時負けてしまってごめん
と、そして、可能ならばまたついてきてほしい・・・・とも伝えたい
特に俺の婚約者であったレイには一緒にいてほしい
前世で一つになれなかった分、今は一緒にいたいのだ
・・・・・・別に先程の小春と信之助の話に感化された訳ではない
まぁ・・・・そんなことをするためには単独行動は必須なわけでして・・・
俺はどうするかを考えながらベットに横たわる
いきなり部屋の扉が開き、男が一人入ってきた
「死ね!」
「ん?」
男は一言そう言うと、剣を俺に向かってつきさ・・・・・そうとして失敗した
俺の拒絶スキルによって防がれたのだ
「なっ!?剣が弾かれた・・・だと!?」
勿論そんな隙を魔王であるこの俺が見逃すはずもなく、創作で作成した剣で逆に首を切り捨てる
ちなみにここまで男が部屋に入ってきてから10秒で俺は布団で寝転んだままだ
返り血なども拒絶スキルさんが弾いてくれている
ほんとに拒絶スキル様様だわ
「いきなりなんだったんだ?コイツ」
人の部屋に入ってきていきなり「死ね」は無いだろうに
王様にでも命令されたか?
ん?しかしこれは・・・・・都合がいいかもしれない
俺と一緒にいてくれるあいつらには悪いが単独行動させてもらおう
俺は創作で自分そっくりの死体を作り出して、ほとんど相討ちで相手を倒した・・・・といった感じに置いておく
勿論これは王様を欺くための物だ
その後に、信之助達に向けた手紙を用意して机の上においた後で
(ふむ、先に王様達に見つかっては不味いかもしれない・・・・)
ふとそう思って机の下に張り付ける
ここは、日本で先生達に見つかりたくない手紙とかを隠すのに最適な場所なのだ
先生は机の中や、横などは見るが机を下から覗きこんだりすることは稀なため、ほとんど見つかることはない
何度か俺がここに手紙を張り付けていたのを信之助達は知っているので、信之助たちならば気づいてくれるだろう
そう思ったのだ
というわけで俺は誰にも見つからないように窓から王城を抜け出す
さてと・・・・・することがありすぎて困った
とりあえず・・・・・まずは金を稼ぐこともそうだが、可能な限りここからは離れないとな
でないと俺が生きていることも王様にはばれてしまうし
まぁ、ばれても大した問題はないんだけどな
めんどくさいことは可能な限り回避していく方がいいだろう
俺は一人夜の闇に溶け込んだ
あのお方がお亡くなりになってから早16年・・・・
我らはあの方の死と共に各地に散らばり、ひっそりと生きていくことにしました
しかしそんな我等に待っていたのは、一度正体がばれれば男ならば殺害され、女は人族どもの慰みものになる生活
こんな生活は嫌だ・・・・
だからこそ私は戦い抜きます
死ぬときは自らの体を破壊し、誰にも私の体を許すことはしない
なぜなら、私の体を捧げるべき人は一人しかいないから
私との結婚を間近に死んでしまったあの方のみに私は体を捧げることを誓ったから
だから・・・・・
「レイは最後まで戦い抜きます。見ててください・・・・魔王様」
少女はそう呟いた
本日の投稿はここまでとなっております
次回からは『成長限界チートで異世界無双』を書き上げてから余裕があればこちらを書くことになります
今までの分は書きためていた分なので、すぐに投稿できましたが、これからは早くて一日一本だと思います
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