エピソード2
(やはりか・・・・・・)
先程目の前の男が言った言葉と俺の体に戻ったこの感覚から予想はしていたが、ここは俺が魔王をしていた世界「ホライズン」らしい
「異世界?ホライズン・・・?どこかで聞いたことのあるような・・・・・」
優花が首を傾げている
(不味い!そう言えばあいつら四人には俺が元魔王であることや、ホライズンのことも話したことがある!)
一人ハラハラしていた俺だったが、結局優花はどこで聞いたのかを思い出すことも無かった
「ふむ、5人か・・・・今回の異世界召還は中々に豊作だったとみえる・・・・」
最初に喋った男の後ろで一人の男が呟く
どうやら聞こえたのは俺一人だったみたいだ
「それで?あなたは誰なんですか?・・・・まぁ、大体予想はついてるけどね」
信之助の言及に回りがざわつく。中には
「不敬だぞ!」
などと騒ぎだす輩もいるくらいだ
しかし、男が手をあげると周囲のざわめきが収まっていく
「失礼した。勇者様方。私はこのホライズンが国の一つ「昼」の王であるライト・サンアレドだ」
なんかややこしい名前だな
確か昼の国は、獣人の国である「朝」と結託して魔人の国である「夜」を攻撃した国であり、前回も勇者を召還した国だったと思う
「まずはステータスと心の中で唱えてみてくれ。それでお主達のステータスがわかるはずだ」
ふむ、それくらいは知っているが人間の体となっている俺のステータスを確認するのもいいだろう
そう思い「ステータス」と心の中で唱える
天鎖 真央
職業 魔王
レベル 591
体力 SSS
攻撃 SSS
防御 SSS
魔力 SSS
スキル 拒絶 創作
ちなみにステータスだが、人間の至れる最高は普通の人間でS、勇者がチョー頑張ればSSSである
うん、最初っからカンストしてるどころかこれ、俺の魔王の時のステータスだな
俺を最強の魔王たらしめた拒絶のスキルも元に戻ってる
ん?一つだけ俺の知らないスキルがあるな
創作?とりあえず調べてみるか
創作
作りたいスキル、アイテムを作成することができる
追加能力の強さは使用者の魔力やレベルに比例する
尚、能力を付けない、能力をあえて低くすることは可能
うわぁ・・・・・これはまたすごい能力だことで・・・・
思わず絶句するほどだ
「ん?」
『他者があなたに対して鑑定を行おうとしています。拒絶しますか?』
なるほど、召還したやつらがステータスを見ようとしてるんだな
俺は拒絶を発動して、他の皆と同じくらいのステータスに見えるくらいに調節する
そこら辺の融通がきくのがこの拒絶の良いところである
「ふむ、5人とも勇者か・・・・」
ん?一瞬笑ったか?
「勇者とはこの世界で最も強き力を得ることができるもの達だと我らが伝承で伝わっておる。その力を使って朝の国の魔王を倒してほしいのだ」
ん?朝の国の魔王だと?
朝の国って獣人の国だろ?奴等の王なら獣王と呼ばれているはずだが・・・・
一体今はいつなんだ?
よく考えてみれば日本とホライズンの時間の流れが変わらないなんて保証はどこにも無かったんだ
最悪十六年どころか、数千年の時が経っているなんてこともありうる
その場合あいつらとはもう会えなくなるのか・・・
いや、まだ希望を捨てる必要はない
まずは情報を集めるところからだ
「・・・・・しかしながら今日は色々とあって疲れておることじゃろう。それぞれ部屋を用意させよう。これからの話は明日にした方が良さそうじゃしな」
(ん?)
その言葉が気になって目だけで周囲を伺うと竜太郎はなんのことだか理解していないような感じだし、優花は理解しているが理解したくないかの様に顔をしかめていた
その二人とは真逆にワクワクしているような素振りを見せるのは新之助と小春だ
そのまま俺たちは各自の部屋へと通され、食事をした後、俺の部屋へと集まってきていた