エピソード28
「まさかとは思っていたが・・・本当にお前だったとはな・・・シュバルツ。いや、今は真央と名乗っているんだったか?」
アゲハの言葉に俺は頷く
「あぁ、シュバルツの名前だと気づく奴がいるかもしれないからな。これからは真央で頼む」
「了解した・・・・・っとそれはともかくとしてお前はどうしてこっちに?」
アゲハの問いに対して、俺は一つずつ説明していく
俺が一度死んでから転生したこと、勇者としてこの世界に呼ばれたこと、アコと再会したこと、俺が死んだ戦争についてのこと
「おい、ちょっと待て」
「ん?」
俺が語り終えるとアゲハが額を押さえる
「どうした?アゲハ」
「どうしたもこうしたもない!俺がそれなりに頑張って情報を集めてきて・・・・それでもわからなかったことの一つの答えをポンっと出してるんじゃない!」
それは悪いことをしたかもしれない
「すまんな」
素直に謝ってみた
「いや、まぁ謝って欲しかった訳じゃないんだけどな・・・・・なんかこう・・・・・釈然としないというかなんというか・・・・」
うん、相当パニくってるな
いつものクールな鉄仮面が外れている
「まぁ、それは良いとしてアゲハはどうして外に出てきたんだ?」
「・・・・それは良いとしてって・・・・相変わらずマイペースな奴だ。そりゃあ一応冒険者ギルドのマスターなんてやってる身だ・・・・一応町に大きな力が近づいているともなれば確認に行かざるを得まい」
そういえばアゲハは星占いで力の位置を知るとかできたんだっけ?
「ん!?つまりアゲハは他の四天王の位置がわかってるってことか!?」
「ああ、そうだな」
俺の問いをあっさりと肯定するアゲハ
「というわけで真央、頼みがある・・・というより真央が冒険者ギルドに所属しているのなら依頼扱いにするか」
「ん?依頼?」
「ああ、そうだ。今のこの街の現状は知っているか?」
この街の現状と言えば・・・・
「あぁ、あれか。冒険者が減っているとかいうやつ・・・」
「そう、それのせいで今この街には非常に冒険者が少ない。だから・・・・・」
「おいおいまさか・・・・」
この話の流れでこんな話をするってことは・・・
「恐らく想像どおりだとは思うが・・・四天王を説得してこの街まで連れてきてほしい」
やはりか・・・・・皆普通の人間に比べたらかなり強いし、皆に依頼を達成させればかなりの消化速度になるだろう
しかし・・・
「俺も皆に会いたいとはいえ、俺とレイもいるんだ・・・・しばらく俺たち二人だけでも依頼をこなした方が・・・・」
「僕もいるよ!?」
しかし、俺の言葉にアゲハは首を振った
他にもなにか聞こえた気がしたが気のせいだろう
「確かに依頼だけの面で見ればそれもありだし、少なくとも間違いではない・・・・しかし、俺が心配しているのは何も依頼のことだけじゃないんだ」
依頼のことだけじゃ・・・・ない?
「ここは元々人間の敵であった魔族がギルドマスターをやっている国なんだ・・・」
「人間の敵」をワザワザ強調した言い方に、ようやく俺もアゲハが何を言いたかったのかを理解する
「まさか・・・・昼の国が攻めてくる可能性がある!?」
俺の言葉にアコがこちらを凝視する
「先程の戦争の理由を聞く限りあり得る。だから俺たちはそれまでに戦力を集めておかなきゃいけないんだ」




