エピソード19
「すいません。昨日冒険者登録をした真央ですが」
受付のお姉さんにギルド証をもらう
ちなみに今日はレイも一緒に来ていたりする
首には俺が創作で作った、疑似隷属の首輪がつけられている
この首輪は見た目と鑑定結果だけは隷属の首輪だが、なんてことのないただの首輪だ
一応C級ならば奴隷の一人くらい持っていてもおかしくはない(あくまでおかしくは無いだけで持っている人は数少ないしらましてや魔族の奴隷なんて持っている人の方が異常である)ので、レイを奴隷として一緒に行動することにしたのだ
「すまない。先日冒険者登録をした真央だ。ギルド証を取りに来た」
「はっ、かしこまりました!直ぐにお持ちします」
・・・・やはり空いているからといって男の職員の列にならんだのは失敗だったかもしれないな
奴がレイに見とれているのを見てイライラするはめになってしまった
しかも、レイの美貌に回りの冒険者からも視線が集まっておりすごく不快だ
どうする?みんな殺すか?
と思っていたら視線が消えた?
一体なんだったんだ?
「真央・・・・あんた殺気出しすぎ」
おっと、いつの間にか殺気を放っていたようだ
周囲からの視線がなくなったのはそのせいか
そして10分後ようやくギルド証が届けられ、俺たちはCランクの依頼であるオークの集落の偵察へと向かった
ちなまにオークは豚鼻豚足の四足歩行・・・・地球でいうあの豚を思い浮かべてくれるといい
しかし丸まった尻尾には毒があり、そこから噴射される毒液は、鉄や繊維を溶かし、しばらくは強烈な臭いを発することとなり、それをマーキングにしてオーク達が襲いかかってくる
ちなみに毒液の色は白濁色である
もしもオークに捕まってしまうと延々とその白濁液を顔面にぶっかけられて窒息させられた後、オークのおやつとなってしまう
もし死ぬ前に救出されたとしてもそいつはもうオークの尻尾を見ただけで逃げ出すようになるくらいだ
そのせいもあって特に女性冒険者からは嫌われているモンスターだ
まぁ、強さとしてはそこまで強くもない
1対1ならD級の冒険者でもなんとか倒すことができるくらいだ
まぁ、その後二匹目が来たり2対1なら白濁の宴確定になってしまうが
そのオークが集落を作ったという話なので様子を見てこいというわけだな
まぁ、なんにせよ・・・・ついでに始末してきても構わんのだろう?
というわけでさくっとオーク討伐に向かう
「今回は盾もいるしな」
「今すごい嫌な呼ばれかたしたような気がするんだけど?」
「ん?気のせいだろ?もしやつらに見つかったとしてもお前を盾にして殲滅するって言っただけだし」
「十分酷いこと言ってますよねぇ!?僕を盾にするって!!」
「俺がアコに白濁液なんてかけさせるわけないだろ?」
「だからって僕を盾にしなくてもあんたなら一滴もかからずに防ぎきれるだろうが!」
あー、それできたら嬉しかったんだけどなぁ
「かかってもなにも起こらないなら可能だがかからないは無理だな」
拒絶の力は割かし万能だが微妙な所もある
「っていうか攻撃すべて弾けるならアコの攻撃で俺が死ぬなんて事も起こっていなかっただろうが」
「うっ・・・・」
アコが黙り混んだ
おっと・・・今の騒ぎでオークどもがこちらに気づいたな
しかし後ろを向いているアコは気づかない
ドビュルルルルル ビュルッ ビュルルルルル
そんな間抜けな音と共に隙だらけのアコの髪に白濁液が付着する
振り向いたアコの顔にも
「・・・・・」
「・・・・・ブヒッ☆」
「殺す!」
次の瞬間アコが無数の炎を放った
ちょっ!ここ森の中!
「レイ!」
「はい!召喚!氷帝!」
レイが召喚した氷帝が水を放つ
その水は白濁液に濡れたアコごと燃え始めた森を飲み込み鎮火した
ちなみにオークは全滅したのだがアコの装備も白濁液と水流のせいで全滅していた
「いやぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
オークの集落が消えた場所にアコの悲鳴が木霊した