エピソード1
「はー、今日もようやく終わりかよ。さっさと帰ろうぜ、真央」
「全く・・・・ちゃんと授業は聞いてたんだろな」
「あはは・・・・竜太郎君。授業はちゃんと聞かないといけないよ」
「はぁ、定期テストで泣きついて来ても知らないわよ」
授業が終わった瞬間に伸びを始める「愛される筋肉バカ」こと元名竜太郎
そんな竜太郎を嗜める「クールで優しい独裁者」こと二宮信之助
竜太郎が授業を聞いていないと勝手に決めつけているのは「毒を吐く癒し系ハムスター」こと鈴宮小春
最後に竜太郎に対して呆れるように呟いたのは「天災クールビューティー」こと冬空優花だ
4人合わせてリア充4人組!
どうしてリア充4人組なのかと言うと、二宮と鈴宮、元名と冬空が付き合っていて、4人とも幼馴染み、その上付き合いたいランキングも堂々のトップ2だからだ
ちなみにこのあだ名はクラス公認の物で俺の想像上の物では無い
どうしてこんなあだ名なのかは・・・・いつか語る時が来ればいいな
そしてこのリア充4人組なんだが、なぜか放課後になると俺の机の回りで駄弁り始める
まぁ、それも仕方ないと言えるだろう
俺の席はこのリア充4人組に前後左右で包囲されているんだから
しかも、事もあろうにこいつらは何かと俺を巻き込みたがる
そのせいもあって、今では「どんな関係?」と聞かれたら、迷わずに「友達」と答えることができるくらいには仲良くなった
「なぁ、真央からも言ってやってくれよ!授業なんて聞く必要ねーってよ。この学校きっての天才に言われりゃこいつらも黙るだろ」
「いや、授業は聞けよ」
「ほら、真央もそう言ってるじゃない!」
「むしろ黙るのは竜太郎君の方だったね」
「ふん」
「ぐぬぬぬぬ」
ところで自己紹介がまだだったか
まぁ、先程から何度か名前を呼ばれているからわかっているかもしれないが俺の名前は天鎖真央特にあだ名などは・・・・「流石、永遠なる恋人様!言うことが違うねぇ」・・・・あぁ、そうだよチクショウ!認めてやるよ昔告白された時に「前世でどうしても忘れられない女性がいるから君の思いには答えられない」と断った時から「永遠なる恋人」なんてあだ名がついちまったんだよ、チクショウ!
「竜太郎・・・・・後で覚えとけよ?」
「うおっ!真央が怒った!」
しかし、それでも俺はこの関係が嫌いではなかった
こいつらはどこか魔王だった時の四天王に似ているから
「さてと・・・・・いつもの展開になったところで・・・・・」
(・・・・・魔力!?一体どこから・・・・)
信之助が呟き始めた時からこの世界にはあるはずの無い魔力を俺は感知していた
久しぶりの魔力感知なせいでどこから魔力が来ているのかが今一特定しきれない
「帰るか」
信之助が呟いた瞬間に俺は魔力を感知していた場所を見つける
(・・・・・足下!)
ばっと下を見るとそこにはいつの間に描かれたのか魔方陣があった
(この魔方陣は・・・・まさか!)
見覚えのある魔方陣に俺の反応が一瞬遅れる
そして次の瞬間俺たちは召還魔法によって異世界へと飛ばされていた
(ここは・・・・・・!)
どこかの城だということはわかるがそれだけではない
この魔力の感じ、この空気の味、忘れもしない!ここは・・・・・
「・・・・・ホライズンへようこそ、異世界より召還されし勇者様方。勝手にお呼びだてして誠に申し訳ございませんがどうか魔王を倒して我等をお救いください」
目の前のおっさんがそう言った