エピソード12
「君は・・・・何者だ?」
俺を見る前勇者の目付きが更に鋭くなる
くそっ、また何か地雷でも踏んだのか?
戦うしかないのか?
正直勝てないことはない・・・・・と思う
前回戦った時よりも勇者が強くなっている可能性もあるが、前回戦ったときだって俺が過信してさえいなければ俺が逆に勇者を倒していただろうくらいの実力差はあった
少なくともここで再び殺されるような事態には陥らないはずだ
しかしながらここで俺が転生して、再び召喚された事を話すのは恐らく悪手
ならどうするべきか・・・・
かといって前勇者の思惑や思考がわからない以上どう話していいかもわからないわけで
「幾つか質問させてもらおう。勿論こたえないならそれで構わない」
俺がどう言うべきか迷っていると勇者が口を開く
ふむ、こちらからアプローチするのが難しい現状ではありがたい提案だ
その質問の内容によっては前勇者の現在の立ち位置なども理解できるだろうし
「君はここに僕がいることを知っていたのか?」
それには素直に首を振る
少なくともここに前勇者がいると知っていれば・・・・・いや、それでもここには来ていたな
レイに会えるかもしれないのに会わないなんてあり得ない
「ならばここに来た目的は?」
ふむ・・・・これも答えても問題はないかな?
「この町にいる魔族に会いに来た」
「この町に魔族がいるという情報は昼の国の王やその周囲から?」
その問いにも首を振る
「王やその側近がここに魔族がいるという情報を知っている可能性は?」
「皆無・・・・・と言いたいところだが俺はあいつらがどれだけ情報を持っているかは知らない」
「ふむ・・・・・魔族がこの町にいるという情報はどこから?」
「黙秘する」
「・・・・・・君はその魔族に何らかの悪意を持っているか?」
「ノーだ」
俺の答えに前勇者は少し考え込んだ後
「君は・・・・・彼女の事を知っているのか?」
彼女・・・・恐らくレイの事だろう
「貴様こそどうしてレイの事を・・・・チッ!」
今まで意識して名前を出さなかったレイの名前を口に出してしまった
今にも前勇者が襲いかかってくるかと思ったからだ
しかし、前勇者はこちらをジッと見つめた後
「君は・・・・・いや、まさかな。まぁ少なくとも彼女に悪意を持たず、彼女のことも知っていることはわかった。ついておいで。彼女に会わせてあげよう」
いきなり勇者が歩きだした
「は?」
突然の展開に俺はついていけなかった
「どうしたんだい?ついておいでよ」
しかし、そんな事も気にせず前勇者は進んでいく
そして、路地裏を抜けた辺りにある小屋へとたどり着くと扉を開け
「ただいま。レイ。君にお客さんだよ」
そう中に声をかけた




