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キャラクターメイキング

「良し…セットアップ終了!」

 購入したばかりの『リンク—Ⅱ』のセットアップ画面を終了し、カップ入れて於いたレモン風味の飲料水に口を付ける。

「後は、ゲームを楽しむだけだ!」

 カップの中身を飲み干すと『リンク—Ⅱ』を装着すると、ゲームの世界へと意識が落ちて行った。


                         ♪


「ようこそ『モンスター・バトル・フロンティア』へ」

「ああ、どうも」

 『リンク—Ⅱ』を起動して仮想世界に降り立ったかと思うと、真っ白い部屋の中で見覚えのある美しい女性が、歓迎の言葉を口にしていた。

「わぁ、ゼペルさんだ!」

「あら、わたしの事をご存じなのですか?」

 不思議そうに首を傾げ、長い栗色の髪が揺れている姿も美しい。

 俺がゼペルさんの事を知っていたのは、事前に調べた『モンスター・バトル・フロンティア』の情報に彼女が紹介されていた物があったのを覚えていたからだ。確か彼女が紹介されていたのは、とあるゲーム情報雑誌だったはずだ。公式サイトでは、チュートリアルキャラクターとして名前だけが記載されている。

 その事を伝えると得心がいったという風に、彼女は微笑みを浮かべる。

「では雑誌特典でも付けて於きましょうか?」

「え?」

 彼女は所詮サポートキャラクターに過ぎない。そんな彼女に自由に特典を与える様な権限があるのか、それとも元々雑誌特典が存在していたのか、判断に困る事案である。

「そうですねー、何が良いでしょうか……そうです!」

 何か思いついた様で、ポンっと手を叩く。

「スキル…スキルを差し上げます!」

「スキル?」

 この『モンスター・バトル・フロンティア』の特徴は何と言ってもモンスターの育成だ。だからプレイヤーではなく、スキルと言えば育成するモンスターが連想される。

「しかし、スキルを差し上げる前に、この世界に於ける貴方の依り代を作成しましょう」

「うん」

「では基本となるステータスを表示します」

 ゼペアの言葉が途切れると同時に半透明のプレートが現れた。


名前  ユウ

種族  

ランク 1

スキル 

称号  

所持金 0金貨 0銀貨 0銅貨


「おお!」

 初めてステータスが表示されるという出来事に、興奮した様に感嘆の声を上げる。

「名前は事前表記にて説明致しました通り、会員登録された際のニックネームが使用されています。最初から記述されているランクですが、全てのプレイヤーはランク1からのスタートになりますので、自動表記されます。詳しい説明はチュートリアルでご説明していますので、チュートリアルを受けることをお勧めします」

「わかりました」

 要するに名前は登録時の時に決定されて、他の説明はチュートリアルで纏めて教えるっという事らしい。

「プレイヤーキャラクターの作成では、種族の選択だけで終了です。とっても簡単です」

「種族の種類と特徴は?」

「生まれてくるモンスターに因って変わってきますが、基本的にどの種族を選択してもゲーム中に不利になる事はありません。では一覧を表示します」

 先程のステータスとは別に少し大き目のプレートが現れた。


種族一覧

 妖精

 鳥獣

 幻想

 無形

 昆虫

 悪魔

 天使

 人形


「結構種類があるな…でも」

 妖精や悪魔、天使はともかく、昆虫や鳥獣ってなんだよ。人形に至っては生き物ですらないし。

「プレイヤーの種族は、モンスターに於ける『系統』に当てはまります。選択した種族に因って、外見が変わるとなどと云った変化は無いので安心してください。あ…キャラクターの容姿…」

「…」

 彼女が思い出したのは、プレイヤーキャラクターの姿だろう。一般的にゲームのキャラクター作成は、容姿設定が先か同時進行が主流である。

「ま、まぁ、容姿は後で…コホン」

 咳払いでその場を煙に巻くと、種族の説明を始めた。

「育成モンスターとプレイヤーの種族が同じであった場合、育成モンスターのステータス上昇率が高くなります」

「違った場合は?」

「特に何も…デメリットは発生しませんし」

 ボーナスが無い事がデメリットと言えなくもないか…。

 ついでなので思いついたまま質問をしてみる。

「それなら属性で良かったんじゃない?」

「………………………今後のアップデートに期待してください」

 長い沈黙の後、ゼペアはアップデートを仄めかす。

「じゃあ…種族は幻想で」

「はい、では外見を作ってしまいましょう」

 後回しにされた容姿の設定が始まる。

「身長はリアルと同じ173cmで、髪の色は少し濃い目の青色でー目の色は空色!」

 キャラクターの基本コンセプトは決まっている。他のRPGを始めとするオンラインゲームでも、青い髪と髪より薄い空色の瞳と氷をイメージして、キャラクターを作成している。

「横幅はどうしますか?」

「リアルと同じで!」

 現実の体は、中肉中背と呼ばれるアレだ。

 一応、腹筋は割れているのだが、力自慢までは行かない。

 顔の方も自慢できるような器量良しとは言い難い。精々三枚目が良い処だろう。

「では、これでキャラクターの作成を終了いたします」

 ふぅ、やっとキャラクターの作成が終わった様だ。

 次は、いよいよモンスターとご対面である。







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