表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

 我が家は田舎らしく、敷地内に納屋がある。そこはほとんど使われておらず、ガラクタに支配され、かび臭かった。深夜ということもあって、周囲は静けさが占めている。慎重に、抱えてきた彼女をそこへ座らせた。

 四肢は硬く動かすには苦労が要った。これが死後硬直というものなのだろうか。とすれば、これはまだ一日と経っていない新しい遺体なのかもしれない。全身が硬直するには約十二時間が必要とされているが、老人や幼児の場合はそれよりももう少し遅いらしい。なんにせよ、今は午前零時になるかどうか、そこから逆算しても今朝にはまだ生きていたのかと思うと、胸が疼いた。

 彼女のことをスマートフォンで撮影する。今まで読んできたミステリの中で何人もの人が死んでいったが、その質感は実物を見て触れなければわからない。

 仔細に撮影を繰り返しながら、はたと疑問に思うことがあった。

 それは、彼女に外傷らしいものが見当たらないことである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ