依頼完了報告
お読みいただき有難うございます。
く、冒険者3人の性格がつかめて来たところで居なくなるとかっ。
またいつか出そう。うん。
洞窟探索が終わった後、2日半かけてクワクジルまで戻ってきた。
行きはへろへろだったが、帰りはそこそこ体力が残っていたように思う。
少なくとも午前中は元気だった。午後はへろへろだったけど。
帰り道での見張りの時は3人に色々な事を教えてもらった。
ロックスさんからは冒険者としての基礎知識を。
エレナさんからは後衛としての動き方や魔法について。
アントニーさんからは……特に無いな。
色々教えて貰ってわかったのは、とりあえず常識が足りない事と
今のままだと生活費を稼ぐので精一杯になりそうって事だった。
冒険者として生きるための知識についてはちゃんと頭に入ったが、
常識が足りていたらきっと、言われるまでも無かったことだと思う。
加えて、俺はこの世界の一日の長さ、1年の長さ、季節、物の相場など、
色々知らないことが多すぎる。
かと言って、常識を補う手段が思いつかないのが問題だ。
詐欺に合う前に補えるようになるなり、不条理を吹っ飛ばせる位強くなれれば良いが、
それも何がしかの努力あってこそだろうし。
「マサキ、どうした似合わないくらい真剣な顔してるぞ」
歩きながら考えこんでたので、並んで歩いてたアントニーさんに心配された。
ちなみに、洞窟探索の後から少年からマサキに格上げされた。理由は不明。
「似合わないは余計ですよ。まぁ、平たく言えば俺に足りない常識をどうやって補ったら良いかなって。」
「常識を補うとか中々ゆかいな事考えるな。
仲間を作るとして相手が信頼できるかどうかってのは常識の範疇か。」
「そうなんですよ。」
「あー、じゃあどうするかなぁ……俺とかギルドが仲間を斡旋するのもそれはそれで
解決方法としては有りだと思うが。最悪お金さえ有れば何とかなるな。」
「お金で常識を買うんですか?」
「ばっか、ちげえよお金で奴隷を買うんだよ。それも性格が良くて頭のいいやつを。」
「奴隷!?」
何言ってんだこの人!?
「そ、奴隷なら契約の魔法で縛られてっから持ち主に害になる事はできねーしな。
まぁマサキがよっぽどの間抜けならダマされるかもしれんがな。」
やかましいわ。ほっとけ。
「あははは……って、そもそも奴隷を買うお金なんて無いですよ。」
「そこはまぁ、頑張って稼ぐしか。
魔法が使えるんだから魔道具作ってもいいだろうし。」
「あぁ、エレナさんに習いましたねそういえば。」
消耗品なら材料はなんでもいいようなものだったから確かにお金稼ぎにはなりそうだが。
「あれならそこそこいい値段でギルドか魔法屋で買い取ってくれるはずだぜ。」
「魔法使いなら誰でも作れるんなら安いんじゃないですか?」
「つっても、使い捨てか1つの魔法を魔力だけで発動できるのどちらかしか無いから
使い捨ての方はむしろ在庫足りない位だとおもうぞ。
つーわけで、売れたら俺に安く売ってくれ。」
「まぁ、それは売れたらって話で。」
アントニーさんから金策を聞いてるとロックスさんが真剣な顔をして会話に
参加してきた。
「マサキ、売るのは良いが工夫を凝らした魔法は売るのをやめるか、
売る前にいつものギルドの受付嬢に相談したほうがいい。」
「え?あ、あぁ。なるほど。有難うございます。」
そうか、下手な工夫凝らした道具とかこっそり買い叩かれるか、
そうでなくてもすごく目立つよな……
そんな話をしていると町に到着して、ギルドに行って結果を報告した。
「では、洞窟のアンデッドは全部消滅したということで間違いありませんね?」
「あぁ、通路はくまなく探索して全部始末してきた。」
「分かりました、確認が取れましたら報酬をお支払いします。」
ちなみに私の報酬は金貨4枚でした。
「頼む。あぁ、ついでに話して置きたいことがある。」
「何でしょうか?」
「マサキが今後魔道具を売る予定だから、買い取り対応をお願いしたい。」
「……はい、そうですね。私がしたほうが良いでしょう。」
「え、えと。よろしくお願いします。」
「作られる前に一度いらしてください、一般的に売られている魔道具について
説明させていただきますので。」
「あ、はい。有難うございます。」
「それと、工夫された物をお持ちいただいた場合は買い取りの値段を検討させて
いただきますので買い取りまで時間がかかります。」
「りょ、了解です。」
「では、本日はお疲れ様でした。」
ギルドを出て宿に向かいつつ、今後の予定を考える。
とりあえず、魔道具作って売ってみる。お金が貯まったら一応奴隷を見せて貰う。
で、仲間と一緒に仕事するなり何なりする。
まぁ、ざっくりとこんなかんじか。がんばろう。
お読みいただき有難うございました。