『彼女』でない彼女のハッピーエンド
うーちゃんが泣いていた。
地面には、古びた日記。
見た瞬間に、私は理解した。
『私はそれを知っている。知らないけど、知っている』
と。
あれはうーちゃんの手には渡ってはいけないもの。
この人の物になると、この人は私から消えてしまうから。
あんなやつにうーちゃんを渡すわけにはいかない。
運のいいことにこの人は、日記をみて『泣いている』。
きっと辛く、苦しいのだろう。それがうーちゃんの『あいつ』への思いの証明でもあり、それが、『あいつ』からうーちゃんを切り離すキッカケになる。
「うーちゃん。辛いなら、こんな日記棄てちゃおう?」
「で、でも…」
「大丈夫、誰かのイタズラだよ。」
まるでその中身を知っているかのような言葉、そして、愉悦の表情を浮かべているであろう私の顔を、この人は、泣いているために理解できない。
「そうだよね。うん。わかった。捨てておいて。」
「うん。そしてね、うーちゃん、これからもデートで、この日記に書いてあるような関係になるよ。絶対、そうして見せるから!」
「えっ、ちょ。」
うん。可愛い、やっぱり、『………』はこうでないといけない。
……私の歪んだ愛にうーちゃんを引っ張りこんでしまってごめんね。
でも、絶対に後悔しないし、させない。ううん、『させるけど、忘れさせてあげるから。』
さあ、この日記の結末を迎えさせよう。
うーちゃんは絶対に、私のものなんだから…ね。
◇
物語は、はじまりそうで、とめられた。彼女の手によって。
そして、世界は、日記と同じ結末を迎える。
そして、日記は次の世界へ。
◇
「……なんだこれ?」
落ちてきて雪崩となった、元ダンボールの中にあった物の中にそれがあった。
『彼女』が本当に欲しかったエンディングを迎えるまで、世界を渡り続ける、それが……
物語ははじまりそうで終わる。
とくに問題はない筈です。
それはともかく、もしもこの話の『彼女』のハッピーエンドがわかったらすごいと思います。しかし、言いません。
この話はみなさまのご想像にお任せしておわります。
続編希望があったらつくるかも……ないですね(笑)




