『私の日記』
私の作品であるあの日のような幸せをのスピンオフ作品?になります。
まあ、同名キャラなだけと考えるぐらいでいいくらいに、元作品を見る必要はありません。
しかし、世界の秘密は分かるので注意!
私の名前は崎守詠。
高校一年、思春期真っ盛りの恐らく普通の高校生である。
ちなみに名前の読み方は『さきもりえい』ではない、『さきもりうた』と読む。
何故『うた』なら咏でなく詠なのだろうか?
詠なんてとある爆乳忍者が思い出されるのに。
まあ、どうしてこの名前なのかは知らんけど。
それはともかく、明日から夏休みである。
と言っても、終業式は終わって、家に居るため最早夏休みと言ってもいいと思う。
まあその理論を適用させると、二学期初日の始業式の日も家に居る間は夏休みになるので何か違う気もする。
それはともかく。閑話休題というやつで、
これは、夏休みは恋人いない歴=年齢の私として、ひと夏の思い出を作るために恋人作りに猛進するべきだろう。
二十歳まで恋人がいないと、半数は貞操を守ったまま人生を終了させるらしいこれは由々しき事態である。
故に私は、恋人を作らねばならぬのだ!
「うーちゃん、天井を指差してなにポーズとっているの?」
「うひゃあ!」
恥ずかしい。これは恥ずかしい。
同居人に変なポーズをとっている所を見られるとは!
いやまあ、まあ、
いたしている所を見られるよりは幾分かましなのだろうけど、だろうけど!
「えーと……これは…だな……」
『昨日見たアニメのポーズだ!』
『画面の向こうの人に自己紹介をしていたんだ!』
→『恋人を作ろうと意気込んでいたんだ!』
「……恋人を作ろうと意気込んでいたんだ!」
別に、誰と言う固有名詞を出してないし、本当の事を言っても大丈夫でしょ。
私がまさか、未来里以外を好きになるとか、そんな誤解はされないと思う。思いたい!
「……そう……なんだ……。」
あら?露骨に落ち込まれたぞ何故だ。
駄目だったのか?誤解が起きたのか?
「?……みくりんどうかした?」
「うるさいなあ。もう!」
酷い。落ち込まれたから心配したのに、なんだよ!
ちょっとイラッときたのでここから立ち去ろうとしたが
「……ばーか……」
テンプレ鈍感ハーレム主人公ならこういうのを聞き流すんだろうなあ。
聞こえちゃったなあ。
そういうことか……どうしようか。
→『え?何か言った?。』
『未来里、好きだ!付き合ってくれ!』
「……え?何か言った?」
「別になんでもないよ。」
「ふーん。」
すまぬ。未来里。ここで色々弁解したらムードのない告白になってしまうんだ。
「……あっ、待って、詠。
恋人を作ろうとしているっていることは好きな子がいるんだよね。私、協力できると思うから。」
残念だが未来里、お前ができるのはYesかNoの返事だけなんだ。
そしてそんな無理に作った笑顔でそんなことを言わないでくれ。
……しかしどうして、恋人を作ろうと意気込んでいるとか言ったのだろうか?
もう少し考えればこの展開は予想できた筈なのに。
……しかし感覚的になにか逆らってはいけない強制力が働いていた気もする。
世界に運命はあるのかもしれない。
……今の状況で考えることじゃないなあ。
しかし、教えなかったり、黙ったりしたら、きっと誤解は広がるのだろうなあ。
……はあ、蒔いた種だし、仕方ないか。
「そう……だな、優しくて可愛くて、甘えん坊で、御飯と弁当を何時も美味しく作ってくれる子が僕の好きな子だよ。」
「え!「ストップ。……みくりん、今日この掃除が終わったらどこか遊びに行こう。」……うん。」
◇
未来里とは同じ場所を掃除する訳ではないのでさっき別れたが……
ふぇい!
結局名前出さなかっただけで殆ど告白だ!
全ては……何のせいなのだろうなあ。
さて、さっさと掃除を終わらせるか。
「うわたあ!」
くう、床に置いてたものに引っかかった。
くそ。
ドタドタドタ!
「うわあぁぁぁ!」
その衝撃で積み重ねた本が崩れてきた。
私が何をしたっていうんだ。
俺は悪くねえ。俺は悪くねえ。
「うう、ひどい目に……痛った!」
這うようにして本の雪崩現場から抜け出したと思ったらいいぐらいに頭が押入れの中にあったらしい。くそ!
「うぇっぷ!」
その衝撃で今度は上段にあったダンボールが背中に落ちてきた。
なんでや。普通そんな衝撃で物落ちてこんやろ!
「くう、これがみくりんを泣かせかけた罰か。」
まあもしもそうだったら、未来里を泣かせたら、とある誠さんなんか目じゃないほどの酷い目に合う気がする。
いや、とある誠さんなら三回ぐらい転生しても酷い目に合う気がする。の方がいいかもしれない。
まあ、いいや、この崩れた本を積み直さないと。
あと、紐でちゃんと閉めとくか。
「……なんだこれ?」
落ちてきて雪崩となった、元ダンボールの中にあった物の中にそれがあった。
目立っていた訳ではない。だが目についた。
やけに古ぼけた日記帳がまるでこの世のものではないかのようにそこにあったのだ。
それは、ここにあってはならないものかのように異物感を放っていた。
目立つという概念とは、
そう、言うならば360°違う。
具体的には螺旋階段でXY軸は同じところにいるが、階数が違う。
そんな感じなのだ。
僕はそれを手にとった。異物を手にしたのだ。
言うならば勇者の聖剣を、
言うならば空から降ってきたヒロインを、
言うならば女性にしか動かせないはずものを、
そして開いてしまった。
言うならば、
勇者となるのに、
災厄が始まるのに、
ラブコメが始まるのに、
『非日常に連れ込まれるのに』。
この日記……
『私の日記』は
私のページを捲る音と共に
私の日常を壊していった。
主人公とヒロインが二、三話でくっついてもいいよね。ラブコメじゃないもの。
更新は不定期ゆっくりになるので悪しからず




