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不落の龍神  作者: グー
8/12

8.旅に・・・出れない

スローペースですが見捨てずに読んでください

「旅に出る?」

「ああ、もともと俺がこの世界に残った目的は強いやつと戦うためだからな。」


ウミの城に来てから3日が過ぎた。

その3日の間はウミと組み手をして魔力の扱い方に慣れたり、ウミとイチャイチャしたりしていた。

もちろんそうして過ごしていた時間もとても楽しく有意義なものであったが、元々の目的を見失うほど俺はバカではない。

何よりもウミと組み手を行い魔力に触れることで、もっと強いやつと戦ってみたい、この世界の魔法を受け、それを破りたいという気持ちがだんだん強くなってきていた。


そうしてその気持ちを素直に出した訳なのだがウミは何とも微妙な顔をして首を捻っている。


「それはいいんだけど・・・アテは・・・あるわけ無いよね?」

「適当に暴れてうろついていたら強いやつも興味もって近づいてくるんじゃないか?」


確かにアテはないがそんなものはどうにでもなるだろう。地球むこうに居たときだって俺は別に何もしてないのにほぼ毎日強者ーまあそれほどでもなかったがーに襲われる毎日だったからな。俺みたいに強いやつと戦いたいってやつも勿論いるだろうし。

それにこの城から出てその辺を見回してみてもなんだかはよくわからないが凶暴そうな生物がうろついているからな、そいつらと戦ってみるのも面白いだろう


「さすがに行き当たりばったりすぎるんじゃないかな?」


苦笑したウミは更に続けてきた。


「そのやり方も一つの方法だけど偶然に頼る面が大きすぎるんじゃないかな?それよりは僕に一つアテってほどではないけど考えがあるよ」


アテがあるんだったらそれに越したことはない。

ウミは一つ指を立て話し続ける。


「この世界には大きく5つの大陸があってそれぞれの大陸にはそれぞれの種族の単一国家があり、ここはその中でも魔の大陸だという話はしたね?だけどここ魔の大陸には他種族の町ー砦のようなものといっても差し支えないけどね—があるんだ。で、それぞれの町には魔族を討伐しようと種族ごとの実力者が集まっているんだ。きっとその町のどこかに向かえばキミのいう強者と出会えるんじゃないかな?」


そう言いウミは俺に笑顔を向ける。

なんだよ、それ・・・。そんな・そんな・・・

意図せず俯き、震えてしまう。


「僕たちは別に気にしてないからキミも気にしなくていい・・・」

「なーんだよーー!そんないいい方法があるなら早く言えよ—!全然そっちの方がいいじゃんかー!ん?なんかいったか?」


溜めた力を拳に乗せ振り上げる。

しかしウミがなんか言ってたような・・・気のせいか?


「・・いや、君は不思議に思わないのかい?なぜ僕たち魔族が討伐対象になっているのか。キミの世界には人族だけで他種族との対立もなかったんだろう?」

「ん?ああ、確かにそうだけど本とかゲームじゃそういうもんってことだったからな。あーと、魔族は凶悪な姿や優れた力を持って、他種族に害を為すために自衛目的に魔族を討伐するって言う話がお約束だった。」

「・・・だいたいその通りなんだけどね、どうしてそこまでキミの世界で僕たちの世界のことが伝わっているか不思議だね?・・・だけど姿が違うのはほかの種族だって同じだし、力だってそれぞれの種族ごとに他の種族より優れているところがあるんだ。他種族に害を為すっていう面だって他の種族も僕たち魔族に害を為しているんじゃないかって思うんだけどね?もう慣れたものだけど。」


そういい、ウミは自嘲するような笑みを見せた。その顔は寂しそうでどこかここではない遠くを見ているようだった。

俺としてはそんな種族間の対立には興味は無くただ強いやつと戦えればそれでいいんだが・・・。だけどウミが寂しそうな顔をしているのはなんだか面白くないな!まぁ今の俺が考えてもどうにもならないからいつか機会があったらどうにかしたいな。


「ん?そうしたら町に近づくのはまずいんじゃないのか?ウミは魔族だろ?狙われない?」


まぁ狙われても俺が守るけどな!ウミも一定以上の実力はあるしこっちの世界の基準がわからないけど自衛くらいはできるだろ。

そんなに心配しなくてもいいことかもしれないが・・・。


「ああ、元の姿のままだったらそうだったかもしれないけどね。僕はキミの影響で今の姿になったし、それにここから一番近い町は人族の町だから言動にさえ気をつけていれば大丈夫だと思うよ?」

「そうか、じゃあ早速その町に向かって出発しようか」

「そうだね、ここから南西に向かって2日ほど歩けば海が見えてくる。そこから数刻も歩けば町が見えてくるよ」

「わかった!じゃあ出発だ!」


俺たちは城から出て町に向かって歩き出す。と、高い声が響いてきた。


「待て!」


そこには戦国時代の具足のようなものを身につけた金髪碧眼の美少女が鋭い目でこちらを睨み付けていた。

その手には日本刀のようなものが握られており、居合いの構えで俺たちに相対していた。なかなかの殺気を放っており、それなりの使い手だと言うことが窺える。


あれ?なんで俺らこんな目に遭ってるの?

感想、評価、アドバイス等々お待ちしております!

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