7.朝とカレー
遅れすぎた更新を深くお詫び申し上げます
しかし今回は繋ぎの話です。少し進めるつもりが予想外に長くなりすぎました
窓から漏れる光で目を覚ます。隣にはウミの顔、うむ、可愛い。
昨日は結局ウミが可愛すぎてかなり激しくなってしまった。
しかしそこはさすが魔族のウミ、きっちりついてきていたが。
ウミの髪に手櫛を通す、さらさらだ。そしていい臭いもする。それに汗の臭いもするが不快ではない。
そんなことをしているとウミが目を覚ました
「ん・・」
なんか色っぽいな
「悪い、起こしたか?」
「ううん、いいよ。おはよう、空」
微笑みを向けるウミに俺も笑顔を返す
「ああ、おはよう、ウミ」
そこでウミは何かに気づいたようだ。少し考えると悪戯っぽい顔になる
「それにしても昨日は激しかったね、キミの臭いが僕についているよ?」
「うるさい、お前が可愛すぎるのが悪い」
だって、この体はキミのものだから好きにしていいとか、キミを受け入れることができて嬉しいとか、もっと強く抱きしめてくれとかいうだぞ?抑えられるわけがあるだろうか?いや、ない!
そういうとウミはいっそう笑みを深くして自らの体をその手に抱いた
「嬉しいことをいってくれるね?キミが喜んでくれたみたいで僕も嬉しいよ。何せ今の僕の一番の幸せはキミを喜ばせることなんだからね?」
・・・俺を殺す気か!
しかも自分の体を抱いているせいで決して大きくない胸が強調されてそれなりに深い谷間を作り出している。特に巨乳に興味があるわけではないがやっぱり谷間って男のロマンだと思うんだ。
この後もう1戦に励んだのはいうまでもない
少し時間は過ぎようやく寝室から出てきた。
腹が減ったからだ。何か食い物はあるかとウミに問うたら無い、と返ってきた。
曰く
「僕たち魔族は魔力が周りにあれば生きられるからね、食べる必要性は全くないんだよ。娯楽として食事する同族はいるけど僕はそこのところに興味が持てなかったからね。腐ったら酷い臭いを発するし・・・。だからなにもないんだ。」
とのこと。
しかし腹が減って仕方ない!
そうか、家に戻って飯を持ってくればいいんだ。
「どこでも・・・」
いや、さすがにこのネーミングはまずいのか?しかも俺には馴染みが深いがよく考えると若干間抜けなネーミングだ、格好悪いとウミに嫌われたら困る。いや、そんなことはないだろうが
しかしどうするか・・・
「異界の扉」
こういうものはわかりやすさが一番だと俺は思う。
名前が変わったからだろうか、俺が若干想像を変えたためだろうか、そこには昨日現れたあのピンク色の扉ではなく、黒く重厚に光る両開きの扉が出てきた。
「じゃあウミ、ちょっと待っててくれ、30分位で戻ると思う」
そう告げ、返事も待たずその扉を両手で押し開き、確認もせずに飛び込む。
もう3度目になり少しずつ慣れてきた浮遊感が収まるのを待ち、あたりを見渡す。
確かに元の世界、地球だった。
そのことを認識すると同時に魔力が全くないことに気づく。
なるほど、確かにこの世界なら魔力がエネルギー源のウミは力が出せないか、道理で力に差がありすぎると思った。
「おっと、飯飯」
幸いここは俺の家のすぐ近くだ、家の冷蔵庫ならなんかあるだろ
全力で走ったため一瞬で家に着く。なんか身体能力が上がってる気がする
そのまま台所を物色する。どうやら昨日はカレーだったようだ、鍋にカレーが残っている。
ラッキー、俺は日本のカレーは世界に誇る国民食だと思ってるからな。
皿に二人分米とカレーを盛りつけ、ついでに福神漬けを盛りさぁ帰るか。
あれ?帰る時ってどうすりゃいいんだ?来た時と同じでいいのかな?
「異界の扉」
どうやら体内に魔力があるためこちらの世界でも問題なく使えるようだ。
しかし、体内の魔力が減ったのがわかる。向こうではきっと使った端から回復してるからわからなかったんだろうな。
扉に手をかけ、少し思う。こちらでの暮らし
確かに俺を震えさせてくれるような強者はいなかったが親父がいて、爺さんがいて、あいつがいてー・・・。
まぁいいか!いつでも帰ってこれるんだし!寂しくなったら少し里帰りすりゃいいんだ!そのときはウミを彼女だなんて紹介したりしてな!
・・・またな、みんな
扉を開き、飛び込む
・・この浮遊感はどうにかならんもんかな
「おかえり」
「ああ、ただいま」
そのまま二人で食事をする。その際にウミが「なんだいこの美味しいものは!これがキミの世界の料理なのかい?もっと食べたい!」と、カレーに大ハマリしてしまったのは余談だろう
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