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不落の龍神  作者: グー
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6.ウミの城

すいません

仕事が忙しくて遅れました。


「と、言っても僕の知ってることで君に教えるべきことはそれくらいなんだけどね。ところで疲れてないかい?僕の城で少し休憩しようか」


言われてみれば少し喉も渇いてるし、大体地球で深夜にこっちに来てから闘ったりなんだりで確かに少し疲れている。

そこまで柔な鍛え方はしてないから動けないとかそういうことは全くないけどな。

それに確かに立ち話にも飽きてきた。


「そうだな、喉も渇いたし」


「飲み物だったら魔法で出せば?」


ウミはキョトンとした顔でそんなことを言ってきた。

おう、盲点。

しかし水を出すのはいいが器がないな、それごと出すか。

想像し、魔力を集中し創造する。

そして俺の欲しいものを端的に表現する呪文は…。


「エ〇アン」


そして俺の手には見慣れた透明のボトルとそれに詰まった水が握られていた。

…成功か、やはり既存のものは想像しやすいな。

ボトルの蓋を開け、喉を鳴らし一気に飲み干す。

…うん、記憶通りの味だ。当たり前か。

それに今回は魔力の調整にも成功したようだ。ほとんど魔力を使わなかったのがわかる。

と、ふと思い付いたことがある。やってみるか。


「どこでも〇ア~」


勿論頭の中では効果音が鳴っている。

そして言葉と共に目の前にピンク色の扉が出てきた。

…どうでもいいが今の声真似は我ながら似ていたと思う。判定が居ないのが残念だが―。

ウミが興味深そうな目で見ているがとりあえずスルー。

俺は手応えから一つの確信を持って扉を開ける。


そこには見慣れた景色が広がっていた。

電柱にアスファルトの道路、何よりこの空気。

まだ数時間もたってないはずなのに久しぶりの景色に感じた。恐ろしいほどの郷愁感だ。

思わず言葉を失いその景色を見つめてしまう。


「あのっ!…き、君…は…僕と一緒に旅をするんだよね?」


その景色にウミも見覚えがあったのだろう、俺の様子から何かを感じたようだ。

ウミがモジモジしながら俺のことを上目遣いで見つめている。

なにこの可愛い生き物、抱き締めたい。

ていうか抱き締めた。ついでにキスした。


「んっ!…んっ、はっ…。ちょっと…痛い…かな?」


「あ、悪い。心配するな、俺はまだ帰らないよ。少なくともお前を置いてはな」


「ホントに?いや、嬉しかったからいいよ。僕は君のものだからね、この体は君の好きにしてくれていいんだよ。」


俺の言葉が嬉しかったのだろう、目を輝かせたウミが両手で体を抱くようにしながらそんなことを言ってきた。

思わず唾を飲み込んでしまう。

体を好きにしていい?それこそ魔法の言葉だ。俺は既に暴走寸前だよ。

しかし辺り一面に広がる荒野を見て少し落ち着く。


「ああ、しかしすっかり話が逸れてしまったな。とりあえずウミの城に行こう」


「うん、そうだね。”キャッスルゲート“」


呪文だったのだろう、光と共に立派な鉄拵えの城門が現れた。

ウミは軽い足取りでその城門をくぐり、直後その体が消えた。

その光景に少し驚くが、転移か何かの魔法だろうと思いながらその城門を躊躇いなくくぐる。

―直後、浮遊感と上下左右がわからなくなる感覚―この世界に来たときに似ている―に襲われ、気付いたときには城の中だった。


そこは所謂ファンタジーの世界に出てくるような想像通りの城だった。

基本は石造りで赤い絨毯が引かれ、大きな扉にシャンデリアの様なもの。

階段があるため少なくとも二階建て以上のようだ。

一通り見渡し最後にウミに目が止まる。


「ようこそ、僕の城へ!歓迎するよ!……。」


最初は満面の笑みだったのが段々悲しそうな顔になり、今では俯きながら指をつつきあわせている。


「?どうした?」


「…名前…知らない…」


そういえば自己紹介なんてしてなかったな。敵だったし。

すっかり忘れてた。


「そうだな、悪い。俺は空、龍宮空だ。家名は龍宮だからソラ・タツミヤの方が通じるのか?」


「ソラか!いい名前だね!いや、龍宮空で通じるよ。他にも似た名前の人がいるし。」


目が一気に輝くウミ。分かりやすいやつだ。

しかし似た名前がいる?そんなこともあると行ってしまえばそれまでだが…少し気になるな。


「それってどういう…」


しかし俺の言葉はウミの唇で遮られてしまった。


「ストップ!もう我慢できないんだ。こっちに来て…。」


ウミに手を引かれついていった先には真っ白い大きなベッドがあった。

所謂天盖式ってやつだ。

しかしこれって…。


「僕を…君のものにして」


いつの間にか既に肩をはだけさせているウミがとろんとした瞳で俺を見つめている。

俺はその瞳に抗えず―…ウミの体に覆い被さった。



最後は駆け足でした。

すいません、作者が恥ずかしくなりました


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